今回、当講座の講師がご支援させていただいております事業者様が、神奈川県の「中小企業生産性向上促進事業費補助金(令和7年度・第2次公募)」に採択されました。まずは採択された事業者様に心よりお祝い申し上げます。

そこでこれをいい機会と捉え、この補助金は現在すでに受付が終了していますが、地方自治体では毎年、類似の補助金制度が実施されることが多いため、「どんな制度があるのか」を知っていただく目的で、今回の記事を公開致します。

なお、事業者の皆さま、そしてコンサルタントの皆さまにとって、地域独自の補助金情報を定期的にチェックすることは非常に大きなメリットになります。自社やクライアントの地域でどの支援策が利用できるのか、ぜひ日頃からアンテナを張っておくことをおすすめします。

補助金の目的

神奈川県内の中小企業は、物価高騰や人手不足など厳しい経営環境に置かれています。
この補助金は、設備導入など生産性向上につながる取り組みを支援し、
「稼ぐ力」の安定・強化 → 利益の拡大 → 賃上げ
という好循環をつくり、県経済の持続的な発展を目指す目的で実施されました。

補助対象となる経費

補助対象は、生産性向上に必要な設備・IT・工事などです。

経費区分内容補助上限額
機械装置等費生産性向上のための機械設備の購入最大 500万円
ITサービス導入費ITサービス・システムの導入・開発最大 50万円
施設工事費機械装置等の設置に必要な最低限の工事最大 100万円 ※単独申請不可

補助率

中小企業者・特定非営利活動法人・社会福祉法人(小規模を除く)
補助率:1/2以内

小規模事業者、従業員20人以下のNPO・社会福祉法人
補助率:2/3以内

補助対象者

神奈川県内に事業所を持つ、次の中小企業・法人等が対象でした。

  • 中小企業支援法に基づく中小企業者
  • 特定非営利活動法人(一定の要件を満たす場合)
  • 社会福祉法人(一定の要件を満たす場合)

ただし、以下は対象外です。

  • 系統出荷のみの個人農業者(林業・水産業を含む)
  • みなし大企業
  • 医療法人、宗教法人、学校法人、農事組合法人 など
  • 実態のある事業を行っていない事業者
  • 令和6年4月1日時点で創業していない事業者
  • 補助事業の実施場所が同一となる重複申請者

主な補助要件

申請には、次のような要件が求められました。

  • 本公募要領に沿った事業であること
  • 付加価値額を3年間で4.5%(年率1.5%)以上増加させる計画であること
  • 給与支給総額を増加させること
  • 神奈川県内で実態ある事業を行っていること
  • 補助事業を県内の事業所で実施すること
  • 発注・納品・支払いが補助期間内に完了すること
  • 県税の未納がないこと
  • 暴力団排除条例に抵触しないこと など

審査のポイント

今回の申請では、次の観点で審査されました。

① 要件審査

  • 対象事業者であるか
  • 補助要件を満たしているか
  • 見積書の妥当性、補助対象外経費の有無 など

② 事業有効性審査

  • 生産性向上の妥当性
  • 付加価値額増加の実現可能性
  • 給与への適切な分配計画
  • 財務状況と投資計画の妥当性
  • 継続的な事業実施の見込み など

③ 加点項目

  • パートナーシップ構築宣言の登録
  • 事業継続力強化計画の認定または申請
  • 事業承継計画書の作成
    などが加点として評価されました。

地域の補助金は「毎年チェック」が必須

今回ご紹介した補助金はすでに受付が終了していますが、
神奈川県をはじめ、全国の自治体では 同様の「生産性向上系の補助金」 が毎年実施されています。

そのため、

  • 自社の所在地
  • または支援しているクライアント企業の所在地の自治体情報を定期的に調べることが非常に重要です。

補助金は「知っているかどうか」で活用できるチャンスが大きく変わります。

補助金の広場

この記事のまとめ
今回の記事は、当講座の講師がご支援した事業者様の採択を受け、
「地方にはこのような生産性向上支援の補助金がある」というところを皆様に知って頂きたいと思い急遽本記事を作成しました。
補助金情報は地域ごとに大きく異なりますが、設備投資やIT導入を検討している事業者にとっては非常に強力な支援制度です。
ぜひ、あなたの地域でも毎年の公募情報をチェックして、活用できる補助金を見逃さないようになさってください。

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補助金の広場代表畠中

大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。