「中小企業成長加速化補助金」は、売上高100億円超を目指す意欲的な中小企業の大胆な投資を支援することで、日本経済の活性化を促す施策です。補助金を通じて、地域経済への波及効果、外需獲得の推進、賃上げへの貢献を目指しています。
(この記事は第1回公募要領を参考に作成致しました。)

  1. 🌱補助金の目的と背景
  2. 💼補助対象となる企業とは?
  3. 💰補助内容の詳細(補助額・補助率など)
  4. 🏢補助対象経費の内訳
  5. 📈申請の要件と「100億宣言」とは?
  6. 📊賃上げ要件について徹底解説
  7. 📝申請までの流れと審査のポイント
  8. 🖥電子申請と必要アカウント(GビズID)
  9. 📅スケジュールと注意事項
  10. 💡活用事例と補助金活用のメリット
  11. 👥よくある質問と注意点
  12. 🏁まとめ:申請前に押さえるべきこと

「中小企業成長加速化補助金」の対象となるのは、売上高が10億円以上100億円未満であり、将来的に100億円超の企業規模を目指す中小企業です。ただし、単に売上規模だけでなく、以下のような厳格な条件を満たす必要があります。

✅補助事業の基本要件

  1. 1億円以上の設備投資があること
    補助対象経費(外注費・専門家経費を除く)のうち、税抜1億円以上の投資が必要です。
  2. 「100億宣言」の公表
    補助金申請時点で、100億円を目指す宣言が公式ポータルサイトに公表されていること。1次公募では申請と同時に宣言提出も可能です。
  3. 賃上げ要件を満たす事業計画の策定
    補助事業終了後3年間にわたる賃上げ計画を含む、5年程度の事業計画が必要です。
  4. 日本国内で事業を実施すること など

⚠不支給となる事業の例

以下のような事業は補助対象外となります:

  • 実施の大半を外注し、企画のみ行う事業
  • 実質的に労働を伴わない資産運用型事業(例:無人駐車場)
  • 購入設備を第三者に長期貸与する事業
  • 農業・漁業など一次産業のみを行う事業(加工・提供は対象)
  • 従業員の解雇によって賃上げ要件を達成する事業
  • 補助事業期間に限って従業員数の削減を行い、補助事業期間終了後に従業員数の増員を行うなど、専ら本事業の対象事業者となることを目的として、従業員数等を変更していると認められた事業
  • 公序良俗・法令違反・風俗営業・暴力団関係事業
  • 同一事業者による複数申請(リース会社除く)
  • 他制度との二重受給となる事業
  • 虚偽申請や制度趣旨に反する事業 など

補助上限額:最大5億円

補助率:対象経費の1/2

補助事業期間:交付決定日から24か月以内

申請形式:単独企業でも、コンソーシアム(複数企業連携)でも申請可能

補助金は設備投資やデジタル化などの成長に必要な取り組みに使用可能です。


中小企業成長加速化補助金では、補助対象となる経費が明確に定められています。申請時には、対象経費の内容を正しく理解し、要件に合致した投資計画を立てることが重要です。

以下に、補助対象となる5つの経費区分について詳しく解説します。

🏗1. 建物費

補助事業のために使用される建物の建設・増築・改修・中古取得にかかる費用が対象です。

✅対象となる建物の種類:

  • 事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫など
  • 建物附属設備(空調・電気設備など)や付帯工事(土地造成含む)
補助金の広場

当社からのアドバイス
次のようなものは対象外となります。
◆建物の単なる購入や賃貸
◆土地代
◆構築物(門・塀・フェンス・広告塔など)
◆撤去・解体費用
建物費が補助対象となる珍しい補助金ですが弊社へのご相談でもご要望が多い【土地代】は補助対象外となっていますのでご注意下さい。

なお、単価100万円(税抜)以上のものに限り補助対象となります。

⚙2. 機械装置費

補助事業に必要な機械装置・工具・器具の購入・製作・借用にかかる費用が対象です。

✅対象となる内容:

  • 測定工具・検査工具などの器具備品
  • 改良・修繕・据付・運搬にかかる費用
  • リース会社との共同申請による設備購入(リース会社が補助対象)
補助金の広場

当社からのアドバイス
次のようなものは対象外となります。
◆構築物、船舶、航空機、車両及び運搬具など
なお、単価100万円(税抜)以上のものに限り補助対象となります。

💻3. ソフトウェア費

補助事業に必要な専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築・クラウドサービス利用にかかる費用が対象です。

✅対象となる内容:

  • ソフトウェアの改良・修繕費
  • クラウドサービスの利用料(補助期間内に限る)
補助金の広場

当社からのアドバイス
次のようなものは対象外となります。
◆パソコン・タブレット端末・スマートフォンなどの本体費用は補助対象外です。
また、販売を目的としたソフトウェア構築は対象外となります。

🛠4. 外注費

補助事業遂行のために必要な加工・設計・検査などの業務の一部を外部委託する場合の費用が対象です。

✅対象となる内容:

  • 請負・委託契約による外注業務
補助金の広場

当社からのアドバイス
次のようなものは対象外となります。
◆応募・交付申請時の投資計画の作成に要する経費
◆外注先が機械装置の設備やシステム等を購入する費用
◆外部に販売・レンタルするための量産品の加工を外注する費用

👨‍🏫5. 専門家経費

補助事業遂行のために依頼した専門家への報酬や旅費などの経費が対象です。

✅対象となる内容:

  • 技術指導・助言・コンサルティング業務
  • 専門家の旅費・謝金(中小企業診断士・弁護士など)
補助金の広場

当社からのアドバイス
次のようなものは対象外となります。
◆応募申請時の投資計画の作成に要する経費は補助対象外

📌補助対象経費の注意点

  • 補助対象となるのは、交付決定日以降に契約・発注・支払いが完了した経費のみです。
  • 他の補助金制度との重複受給は不可です。
  • 投資額が1億円以上(税抜)であることが申請要件です(外注費・専門家経費は除く)。

このように、補助対象経費は非常に細かく定義されています。申請前にしっかりと確認し、対象外となる費用を含めないよう注意しましょう。設備投資の内容が補助金の趣旨に合致しているかどうかも、審査で重要なポイントとなります。


申請には以下の条件を満たすことが必要です:

  • 「100億宣言」を行っていること
  • 投資額が1億円以上(外注費・専門家経費除く補助対象経費分として)
  • 一定の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画の策定

✍️「100億宣言」とは?

企業が100億円を目指す意気込みや戦略を示した公表文書で、補助金申請の必須条件となります。

宣言には以下を記載:

  1. 企業概要
  2. 経営者の意気込み
  3. 売上目標と課題
  4. 具体的な取り組み

宣言取得によって、補助金以外にも税制優遇や企業ネットワーク参加などのメリットがあります。


中小企業成長加速化補助金では、賃上げ要件の達成が申請・採択の重要な条件となっています。これは、補助金を受けた企業が地域経済や従業員に対して持続的な利益還元を行うことを目的とした制度設計です。

💡賃上げ要件とは?

補助事業が完了した年度(基準年度)を起点として、その後3年間の給与水準の平均上昇率が、事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率(基準率)以上であることが求められます。

📌選択できる指標(申請時に選択)

申請者は、以下のいずれかを選択して目標を設定します:

  1. 給与支給総額
  2. 従業員および役員の1人当たり給与支給総額

※申請後の変更はできません。

🧮対象となる給与項目(※1)

  • 給料
  • 役員報酬
  • 賞与
  • 各種手当(残業手当、休日出勤手当、職務手当、地域手当、家族手当、住宅手当など)

これらはすべて給与所得として課税対象となる経費が本補助金の給与支給総額の要件となります。

📐年平均上昇率の計算式(※2)

年平均上昇率 = {(A / B)^ (1 / 3) } – 1

A:最終年度の給与支給総額(または1人当たり給与支給総額)

B:基準年度の給与支給総額(または1人当たり給与支給総額)

🗾都道府県別の基準率(抜粋)

都道府県基準率都道府県基準率
東京・神奈川2.8%大阪2.9%
石川3.4%愛媛・佐賀・山形3.9%
島根4.0%徳島4.3%
全国平均3.2%

※基準率は厚生労働省「地域別最低賃金改定状況」(2019年度~2024年度)に基づきます。

📣目標の表明と達成義務

  • 賃上げ目標は申請時に設定し、従業員に表明することが必須です。
  • 表明がなかった場合や、目標未達成の場合は、補助金の返還対象となります。

⚠補助金返還となるケース

以下のいずれかに該当すると、補助金の一部または全額返還が求められます:

  1. 従業員等に目標を表明していない
  2. 基準年度の給与水準が申請時の直近年度より低下している
  3. 賃上げ目標を達成できなかった(未達成率に応じて返還)

※天災など不可抗力の場合は除外されます。

✅賃上げ要件達成のポイント

  • 現実的かつ達成可能な目標設定
  • 従業員への丁寧な説明と合意形成
  • 給与支給の記録管理と年次報告の準備
  • 地域の基準率を事前に確認し、上回る目標を設定
補助金の広場

当社からのアドバイス
この賃上げ要件は、単なる形式的な条件ではなく、補助金の趣旨である「地域経済への波及効果」を実現するための重要な柱です。申請前にしっかりと理解し、実現可能な現実的な計画を立てることが採択を勝ち取る為に不可欠です。

申請プロセスは以下の通りです:

  1. 補助金公式サイトより募集要項を確認
  2. GビズIDの取得
  3. 申請資料の準備と提出(電子申請)
  4. 書類審査
  5. プレゼンテーション審査(経営者が出席)
  6. 採択決定

🧐審査のポイント:

  • 5年先までの明確な事業戦略と収益計画
  • 賃上げの具体性・達成可能性
  • 地域経済への波及効果
  • 外部環境・競合分析を踏まえた差別化
  • 金融機関との連携や支援体制

申請はすべて電子申請です。必要な「GビズIDプライムアカウント」は事前取得が必須です。発行には数週間かかる場合があるため、早めの準備が重要です。

👉公式サイト:https://gbiz-id.go.jp/top/

2025年のスケジュール例:

5月8日(木):公募開始

6月9日(月):公募締切

8月中旬:プレゼン審査

9月中旬:採択発表
※以降順次交付申請・決定と続きます

⚠注意点:

  • プレゼン審査には基本的に経営者の出席が必要です

補助金の活用例:

  • 工場や物流拠点の新設・拡張
  • 自動化設備による生産性向上
  • 新規事業によるイノベーション創出

🎯メリット:

  • 最大5億円の資金支援
  • 賃上げによる従業員満足度向上
  • 地域への貢献と企業イメージの向上

Q1. 売上が10億円未満の場合は申請不可?
👉 はい、現時点で10億円以上100億円未満の企業が対象です。

Q2. 投資額1億円の条件には専門家経費も含まれますか?
👉 含まれません。対象経費のうち専門家経費・外注費は除いて計算します。

Q3. 補助金返還の可能性は?
👉 賃上げ要件未達成・従業員への目標表明の未実施などの場合に返還が求められます。


本補助金の採択を勝ち取る為、申請前に下記を確認しましょう。

補助金の広場

当社からのアドバイス
採択される前に抑えるべきこと
◆売上高100億円を目指す明確なビジョンが必須
◆「100億宣言」の取得は申請の第一歩
◆賃上げ目標は現実的かつ達成可能な目標額に設定すること

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補助金の広場代表畠中

大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。