補助金の広場

設備投資は事業成長の鍵ですが、初期費用の負担が重く、導入をためらう小規模企業者も少なくありません。そんな悩みを解決するのが、神奈川県が提供する「小規模企業者等設備貸与事業(新設備貸与事業)」です。この制度では、神奈川産業振興センターが事業者に代わって設備を購入し、割賦販売またはリース形式で貸与してくれます。
創業者や経営革新を目指す事業者にとって、資金面のハードルを下げながら設備導入を可能にする、非常に心強い支援制度です。

こちらは弊社地元の神奈川県の施策となりますが、この記事をお読みの皆さんの地域にも同様の主旨の補助制度がある場合もございます。
資金不足で新規設備投資を断念されている方は、是非こういった制度も一度お調べになってみてください。


この制度を利用できるのは、以下の条件をすべて満たす事業者です。

  • 常時使用する従業員が50人以下の会社または個人事業主
    (卸売業・小売業・サービス業の一部は6人以上で追加要件あり)
  • 公序良俗に反する業種や非営利法人、協同組合などは対象外
  • 県税(事業税)を滞納していないこと
  • 法令違反がないこと(建築基準法、公害防止条例など)

創業間もない方や、事業の革新を図ろうとしている方にとって、非常に利用価値の高い制度です。


設備貸与には「割賦販売」と「リース」の2つの方式があります。それぞれの特徴を簡単にご紹介します。

割賦販売方式

設備の所有権は、支払い完了後に事業者へ移転されます。固定資産税の申告・納税は事業者が行います。保証金の有無により、元金据置期間が最大12ヶ月設けられる場合もあります。

リース方式

設備の所有権は神奈川産業振興センターにあり、固定資産税の申告・納税はセンターが行います。保証金や据置期間はなく、月額リース料に損害保険料も含まれています。

どちらも原則無担保ですが、高額案件では担保が求められることがあります。


設備額は100万円から1億円まで対応可能。料率は信用リスクや利用者の属性に応じて決定されます。

割賦販売の料率(固定)

  • 小規模企業者等:年0.7%〜2.3%(新規利用者は0.1%引き下げ)
  • 創業者:年1.9%(新規利用者は0.1%引き下げ)

リース料率(月額)

  • 小規模企業者等:0.941%(10年)〜2.975%(3年)
  • 創業者:0.996%(10年)〜2.954%(3年)

賦払・リース期間は原則として設備の法定耐用年数以内で、3年から10年の範囲で設定されます。


🛠️導入できる設備と注意点

この制度で導入できるのは、創業や経営革新に必要と認められる設備です。ただし、以下のような設備は対象外となります。

  • 土地・建物・構築物の購入
  • 内外装工事
  • 中古品の設備
  • 申込前に設置された設備
  • 他都道府県に設置する設備
  • 申込者以外が使用する設備

申込前に、導入予定の設備が制度の対象となるかをしっかり確認することが重要です。


申込は、公益財団法人神奈川産業振興センターにて随時受け付けています。申込後は審査が行われ、導入設備の妥当性や事業計画などが評価されます。

設備導入後も専門家による課題解決の助言が受けられるため、単なる資金支援にとどまらず、事業の成長を後押しする伴走型の支援が受けられるのも魅力です。


📌まとめ:制度を活用して設備導入の一歩を

「小規模企業者等設備貸与事業」は、創業者や経営革新を目指す事業者にとって、設備導入の負担を軽減し、事業の成長を支える強力な制度です。神奈川県内で事業を展開している方は、ぜひこの制度の活用を検討してみてください。

制度の詳細や申込方法については、神奈川産業振興センターの公式サイトをご確認ください。


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補助金の広場代表畠中

大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。