2021年8月15日
2025年6月15日
個人が独立開業を目指すにあたって開業資金の確保は悩みの種ですよね。
そんなお悩みを解決してくれるのが日本政策金融公庫の融資制度です。
日本政策金融公庫は政府が100%出資している組織ですので、民間企業と異なり
「創業支援」
「国民の雇用の確保」
といった行政の政策目的を達成しようとする側面があります。
その為広く国民に対し、低金利で融資しようとしてくれます。
今回の記事では、そんな日本政策金融公庫への融資申し込みから入金までの流れを個人事業主や小規模事業者の方の申し込みを例にざっくりご説明させて頂きます。
それではどうぞ。
動画での説明をご希望の方はこちら

日本政策金融公庫 創業融資の流れ
(個人事業主・小規模事業者)
申込から入金までの流れ
融資申し込み
申込の為の必要書類を提出します。
※インターネット申込の場合は一部異なります。
提出書類
必要な提出書類は下記の通りです。
・借入申込書
・創業計画書
・購入を検討している機器や出店予定先の物件のチラシなど参考資料・見積書
・不動産購入の場合は登記簿謄本などの証明資料
・その他発生する費用があればその見積書
・法人の履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人の場合)
既に事業を営んでいる場合
・企業概要書(創業計画書を提出した場合、企業概要書の提出は不要)
・直近2期分の確定申告書(個人事業主の場合)
・直近2期分の決算書一式(法人の場合)
・直近の試算表(直近決算から6か月以上経過している場合・開業したばかりで決算を終えていない場合)
審査面談:公庫担当者実施
公庫の窓口で担当者との面談があります。
面談内容
・事業計画、融資される資金の使用目的、資産や負債などについて質問されます。
※事業計画について説得力のある説明が求めらる場面です。
※遅延のない返済実績があれば、電話でのやり取りで審査面談が完結する場合もあります。
必要書類
必要な提出書類は下記の通りです。
・本人確認書類(運転免許証(両面)またはパスポート(顔写真のページおよび現住所等の記載のあるページ)のコピー)
・許認可証のコピー(飲食店などの許可・届出等が必要な事業を営んでいる・営む予定の場合)
・預金通帳(直近6か月)
・源泉徴収票(新規開業予定の個人等の場合)
・住宅ローンや自動車ローンなどがあればその支払・契約などが分かる資料
・固定資産税の領収書(自宅が持ち家の場合)
・賃貸契約書(自宅が賃貸の場合)
・所得税、公共料金、家賃の支払いなどが確認できる資料
審査:融資が決定!
融資が決定すると融資に必要な借用証書などの書類が送付されてきます。
契約手続き
返済開始日などをよく考えて契約を確定します。
入金
指定した金融機関に融資が送金されてきます。

約1か月かかります。
融資を受けるためのコツ
ここでは、日本政策金融公庫から個人事業主が開業資金の融資を受ける際に、特に注意すべきポイントを解説します。参考になさって下さい。
1. 事業計画書の完成度が非常に重要
日本政策金融公庫では、金融機関と違って担保や保証が不要なケースもあり、特に事業の見通しを重視します。以下の点がきちんと書かれていることが重要です。
・なぜこの事業を始めるのか(動機や経験)
・具体的な事業内容(サービス内容、商品内容)
・ターゲット顧客と市場ニーズ
・売上・利益の見込みと根拠
・資金の使い道(設備費・運転資金の内訳)
▶特に注意すべきワンポイント
上記を説明する書類を作成する際に数字は根拠を持たせるようにしましょう
(例えば同業他社の売上データや、見積書、下積み時代に収集した実際の数字を活用する。など)
2. 自己資金の割合を重視される
自己資金が総資金は3割以上ほしいところです。
例)開業に300万円必要 → 自己資金100万円、融資希望額200万円
「見せ金(融資前に一時的に入金されたお金)」は不誠実な申告と見なされますのでお止め下さい。
▶特に注意すべきワンポイント
長期間コツコツ貯めた実績があると、堅実さの証明になります。
例えば、開業を決意した日から毎月数万円単位でも開業資金を貯金し続けていた実績などを預金通帳などで証明でいると審査の際の評価があがります。
3. 開業準備の進捗状況を説明できるようにする
まだ何も動いていない段階よりも、以下のような具体的準備が進んでいる方が信頼されます。
・店舗の物件契約予定または契約済
・ ホームページ・チラシの準備
・仕入れ先や業者との契約書・見積書
・すでにテスト営業をしている など
▶特に注意すべきワンポイント
「本気で始める意思があるか」を見られていると考えましょう。
4.返済可能性の根拠を明確にする
事業開始直後は収支が安定しないため、「返済できる見通しがあるか」を示す必要があります。
・開業前の収入がある(副業・バイト等)
・生活費をカバーできる預貯金がある
・収支計画が現実的である(過大な売上見込みはNG)
▶特に注意すべきワンポイント
生活費と事業費を明確に分けておくと説得力がアップしますので、例えば開業予定のサラリーマンの場合
開業を意識した時点で、自身の生活用銀行口座と新規ビジネス用の銀行口座を用意し、自身の生活にはどの程度の費用が毎月発生するのか、また、現時点で新規事業にはどの程度の資金を調達出来るのかを、資金を別口座で管理する事で明確化していると、審査員の評価はあがります。
5.面談での対応が審査に影響する
書類審査に加えて、担当者との面談(ヒアリング)があります。
・ 熱意や計画の整合性を問われる
・受け答えに矛盾がないか確認される
・自分の言葉で事業内容を説明できるかがポイント
▶特に注意すべきワンポイント
書類審査で担当者からどのような質問を受けるかについてはある程度想定し、事前に答えを準備しておきましょう。
6.信用情報や過去の借入状況もチェックされる
・過去に返済遅延や債務整理があると、融資に不利
・クレジットカードやローンの延滞がないか確認
・個人信用情報に問題がある場合は事前に整理が必要
▶特に注意すべきワンポイント
複雑な案件の場合は、銀行融資支援を行う専門家に事前にご相談されると良いです。
7.使途を明確にし、証拠資料を用意する
融資金の使い道が明確でないと、審査に通りにくくなります。
・設備資金 → 見積書、カタログ等を提出
・運転資金 → 月ごとの支出予定を示す
▶特に注意すべきワンポイント
銀行は貸した資金が当初の説明以外に使用される事を基本的に認めません。
融資決定後のトラブルを避けるためにも融資資金の使用目的はしっかり検討した上で極力正確な情報を銀行へ提出しましょう。
必要書類フォームの取得方法
初めて融資を受ける方はどんな書類を書けば良いかお困りになるかと思います。
そのような方向けに日本政策金融公庫では各種必要書類の書式を公開しています。
いくつかリンクを記載しておくのでご活用下さい。
記入フォームはこちら
・借入申込書
借入申込書記入例はこちら
・借入申込書記入例
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記入フォームはこちら
・創業計画書
居酒屋開業予定の方にオススメ
・創業計画書記入例(居酒屋)
美容室開業予定の方にオススメ
・創業計画書記入例(美容業)
中古車販売店開業予定の方にオススメ
・創業計画書記入例(中古自動車販売業)
衣料品店・子供服店開業の方にオススメ
・創業計画書記入例(婦人服・子供服小売業)
IT会社開業の方にオススメ
・創業計画書記入例(ソフトウェア開発業)
内装工事業開業の方にオススメ
・創業計画書記入例(内装工事業)
学習塾・英会話学校・進学塾開業の方にオススメ
・創業計画書記入例(学習塾)
歯科医院・内科医院など開業の方にオススメ
・創業計画書記入例(歯科診療所)
通所介護サービス・介護予防通所介護サービス(デイサービス)開業予定の方にオススメ
・創業計画書記入例(介護サービス)
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記入フォームはこちら
・企業概要書
食品スーパー開業予定の方にオススメ
・企業概要書記入例(各種食料品小売業)
化粧品製造業開業予定の方にオススメ
・企業概要書記入例(化粧品製造業)
運送業開業予定の方にオススメ
・企業概要書記入例(一般貨物自動車運送業)
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全体を一度ご覧になりたい方にオススメ
・国民生活事業(借入申込書等ダウンロード)
いかがでしたでしょうか?
融資をご検討されている方の参考になればうれしいです。
尚、当サイトは融資獲得をご支援する専門家のご紹介を行っております。
ご希望の方はお問合せ下さい。
それではまた!!

この記事を書いた人
経産省 認定支援機関 株式会社エイチアンドエイチ
代表取締役社長 畠中 均
大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。

