【この記事の対象者】
本記事は、以下のような方々を対象にしています:
- これから補助金を活用して設備投資を検討している中小企業の経営者
- 過去に補助金申請を行ったが採択されなかった企業の担当者
- 補助金を活用した事業計画の立て方や、採択のコツを知りたい方
- 補助金申請の支援業務に携わる士業やコンサルタントの方
これから紹介する「成功する企業がやっている6つの準備」を実践することで、補助金申請の採択率を高め、戦略的に設備投資を進めることができます。
【目次】
- 補助金での設備投資とは?
- なぜ事前準備が重要なのか
- 成功企業がやっている6つの準備
- 3-1. 自社の現状と課題を正確に把握する
- 3-2. 補助金の趣旨と合致する事業目的を設定する
- 3-3. 具体的な設備導入計画を作る
- 3-4. 財務体制の健全性を整える
- 3-5. 採択される申請書の書き方を押さえる
- 3-6. 加点項目を意識して早期準備を行う
- よくある失敗パターンとその回避策
- 補助金申請の流れとスケジュール管理のコツ
- 専門家に相談するメリットとは?
- まとめ:採択されるための鍵は「準備」にあり
1. 補助金での設備投資とは?

設備投資を行う中小企業にとって、国や自治体が提供する補助金は非常に魅力的な資金調達手段です。例えば「ものづくり補助金」では、設備導入費用の2/3を補助してくれるケースもあります。
しかし、補助金はあくまで公的資金であり、どの企業でも簡単に採択されるものではありません。申請にあたっては、厳格な審査や要件確認があり、同時期に申請する他の申請者は採択を争うライバルとなる為、事前の準備が成否を分かることもあります。
2. なぜ事前準備が重要なのか
補助金は「事業の目的や課題に合致しているか」「公的資金を使う価値があるか」という視点で審査されます。そのため、以下のような準備が不十分な場合、採択は難しくなります:
- 計画が曖昧で実現可能性が不明
- 導入する設備の目的が不明確
- 事業効果が測定しにくい
- 財務状況が不安定
- 要件を満たしてない など
これらを回避するためにも、しっかりとした事前準備が必要です。
3. 成功企業がやっている6つの準備
3-1. 自社の現状と課題を正確に把握する
まず最初にすべきことは、自社の現状を数値や業務プロセスで把握し、どの部分に課題があるのかを明確にすることです。
【例】
- 生産性が低い要因はどこか?
- 人手不足で生産能力に限界があるのか?
- 設備の老朽化で品質にムラが出ているか?
このような分析をもとに、補助金を活用した設備投資によって何が改善されるかを明確にします。
3-2. 補助金の趣旨と合致する事業目的を設定する
補助金にはそれぞれ「目的」があります。たとえば、ものづくり補助金なら「革新的なサービス・製品の開発」などが該当します。事業目的が補助金の趣旨に合致していなければ、採択される可能性は低くなります。
申請前に、公募要領をしっかり読み、目的に合致した計画を立てましょう。
3-3. 具体的な設備導入計画を作る
採択される申請書には「どんな設備を導入し、どう活用するのか」が明確に書かれています。
【ポイント】
- 導入機器の名称・型番・価格・性能を明記
- 設備導入後の工程や業務フローの変化を図解する
- 数字で効果を示す(売上、原価率、時間短縮など)
- 導入機器を操作する従業員体制やその教育方法を明記
これにより、審査員が計画の有効性を理解しやすくなります。 など
3-4. 財務体制の健全性を整える
補助金は後払いが基本のため、まずは自己資金で立て替える必要があります。また、補助事業の遂行能力を見る上で、財務体制は非常に重要な審査ポイントです。
【チェックポイント】
- 債務超過になっていないか?
- 資金繰り計画は適切か?
- 売上・利益の見込みは妥当か?
- 銀行融資を受ける場合は、事前に銀行担当者から借入可能の約束を取り付けている。
必要に応じて、金融機関と連携し、補助金と融資を組み合わせた資金調達計画を立てるのは有効です。
3-5. 採択される申請書の書き方を押さえる
申請書は「読みやすさ」「論理性」「説得力」が問われます。
【申請書の構成ポイント】
- 事業の背景と課題
- 投資による解決策と期待効果
- スケジュールと体制
- 成果の測定方法
また、第三者(商工会、認定支援機関等の専門家など)に事前にチェックしてもらうことも効果的です。
3-6. 加点項目を意識して早期準備を行う
補助金制度には「加点項目」と呼ばれる評価項目が存在することがあります。これは、特定の要件を満たすことで採択率が高くなる仕組みです。
【加点項目の例】
- 経営革新計画の承認を取得している
- 地域未来牽引企業に認定されている
- 先端設備等導入計画の認定を受けている
- くるみん、えるぼし等子育て・女性支援の認定をうけている など
成功している企業は、公募要領が発表される前から、前回の募集要項や傾向をもとに、こうした加点項目を満たすための準備を進めています。これにより、他社との差別化が図れ、採択の可能性を大きく高めることができます。
加点項目は制度ごとに異なるため、過去の採択事例や公募要領をよく読み込み、申請までの時間を逆算して動くことが重要です。
4. よくある失敗パターンとその回避策
【失敗例】
- 同業他社との差別化が不十分
- 書類の記載漏れ・誤字脱字
- 計画の抽象度が高い
- 申請要件を満たしていない
【対策】
・図表を使ってわかりやすくまとめる
・第三者の視点で内容を見直す
・公募要領に沿って論理的に記載する

5. 補助金申請の流れとスケジュール管理のコツ
【主な流れ】
- 補助金情報の収集・公募要領の確認
- 事業計画の立案
- 見積取得・資金計画の策定
- 申請書の作成・提出
- 書面審査・補助金によっては社長面談あり
- 採択結果の通知
- 事業開始・報告・精算
補助金には締切があり、後ろ倒しはできません。余裕を持ったスケジュール管理がカギです。
6. 専門家に相談するメリットとは?
申請書の作成や戦略の立案に不安がある場合は、専門家(認定支援機関・行政書士・中小企業診断士など)に相談するのが効果的です。
【メリット】
- 採択率が高まる
- 客観的な視点で事業計画を見直せる
- 書類作成の負担が軽減される
7. まとめ:採択されるための鍵は「準備」にあり
補助金を活用した設備投資は、企業成長の大きなチャンスです。しかし、そのチャンスを確実に活かすには「事前準備」が不可欠です。
成功企業が実践している6つの準備を参考に、自社でもしっかりとした申請体制を整え、採択への一歩を踏み出しましょう。
補助金申請の支援を行っている当社では、無料相談も受け付けております。お気軽にご連絡ください。

この記事を書いた人
経産省 認定支援機関 株式会社エイチアンドエイチ
代表取締役 畠中 均(はたなか ひとし)
大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。
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