事業を一人で切り盛りしていると、「補助金は人を雇っている会社しかもらえないのでは?」と思いがちです。しかし、実際には従業員がいない個人事業主や法人でも活用できる補助金は数多く存在します。

この記事では、2025年現在、一人社長が活用できるおすすめの補助金を5つ厳選して紹介します。事業の成長や販路拡大を考えている方は、ぜひ参考にしてください。


補助金と聞くと、「従業員を雇っていないと申請できない」と思う方が多いかもしれません。しかし、補助金の対象は“法人か個人事業主か”が基準になっているケースが多く、従業員の有無は問われないことがほとんどです。

つまり、一人で経営していても、法人として登記しているか、個人事業主として開業届を出していれば申請可能です。

ただし、補助金の種類によっては、商工会議所への所属や地域性など、申請要件が定められていることがありますので、事前に要項を確認することが大切です。

補助金の広場

当社からのアドバイス:補助上限額と従業員数
全国を対象とした大型補助金の多くは従業員数によって補助上限額や補助率が異なります。
これは申請する事業者の事業規模に合う「身の丈にあう補助金に申請してほしい」という行政側の意思表示だと弊社では考えています。
採択を勝ち取る為には、補助上限額いっぱいまで補助金を貰うことに固執せず、実際の自社の事業規模に合う補助額を請求することが大切です。


多くの補助金では、事業の目的や実施内容をまとめた「事業計画」の提出が求められます

ただし、国が実施しているような大型の補助金制度では詳細な計画書が必要なことが多い一方で、地方自治体の補助金では、簡素な内容で申請できるものもあります。例えば、事業内容を1行程度で記載するだけで済むケースも存在します。

補助金はほしいけれども、面倒な手続きはしたくないとお考えの方は、申請する為にどのような書類や資料などを用意しなければならないかについて初期段階で確認してみましょう。


① 小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や集客強化のための経費を補助してくれる制度です。補助上限は50万円~200万円(特別枠あり)で、対象経費にはチラシ制作やホームページ作成、看板設置などが含まれます。

商工会・商工会議所のサポートを受けながら申請する仕組みになっており、一人社長や個人事業主でも対象になる制度です。

② IT導入補助金

IT導入補助金は、業務効率化を目的にITツールやソフトウェアを導入する企業に対して支援を行う制度です。補助率は1/2~4/5、補助額は最大450万円まで申請可能です。

対象となるITツールは事前に登録されたものに限られますが、会計ソフト、顧客管理システム、ECサイト構築ツールなど、一人でも使いやすいものが多数含まれています。

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当社からのアドバイス
IT導入補助金は小規模事業者(一人社長含む)を強く支援している制度の一つで、令和5年10月1日に開始されたインボイス枠 インボイス対応類型では、会計・受発注・決済ソフトに加え、PC・タブレット・レジ・券売機等のハードウェア導入費用も支援しています。また、嬉しい事に小規模事業者は最大4/5補助し、補助下限は無く、安価なITツール導入も支援していますので、必要な方は是非ご検討下さい。(令和7年6月時点)

③ ものづくり補助金

ものづくり補助金は、革新的な製品・サービスの開発や業務プロセスの改善を支援する制度です。補助額は最大3,500万円、補助率は最大2/3となっており(製品・サービス高付加価値化枠・大幅賃上げ特例対象の場合)、製造業だけでなく、サービス業など幅広い業種で活用されています。

例えば、新しい製造機器の導入や業務効率化のための設備投資などにも利用できます。小規模事業者や一人社長でも対象になりますが、事業計画の質が重要視されます。

④ 新事業進出補助金(旧:事業再構築補助金の代替)

以前実施されていた「事業再構築補助金」は終了しましたが、2025年以降は新たに「新事業進出補助金」が創設されました。

この制度は、既存事業の枠を超えて新しい事業に取り組む中小企業や個人事業主を支援する内容となっており、補助上限額は最大で9,000万円 補助率は1/2となっています。これから新たな事業へ挑戦する予定の事業者の方は是非ご活用下さい。

⑤ 地方自治体の独自補助金(横浜市・東京都・大阪市など全国)

各地方自治体でも、独自の補助金制度が実施されています。なお、各地方自治体で募集されている補助金の中には「個人事業主・一人社長」の利用を想定した補助金もあります。たとえば過去に弊社が利用した下記補助金は、補助額は少額でしたが個人事業主の方でも簡単に申請出来る制度設計となっていました。

詳細はこちらの記事でご紹介しています:
👉 補助金でパソコン購入!申請から採択までの全手順を公開【実体験】神奈川県横浜市

自治体によって対象経費や補助率が異なりますので、お住まいの地域の公式サイトを確認することをおすすめします。


補助金を活用することで、自己資金を大きく抑えながら事業を進めることができます。特に一人社長の場合、資金調達の選択肢が限られる中で、補助金は非常に心強い味方になります。

ただし、補助金は後払いが原則であり、先に費用を立て替える必要があります。また、事業計画の内容次第では採択されない可能性もあるため、準備は慎重に行いましょう。


1)目的を明確にする:なぜその補助金を使いたいのか、具体的な用途をはっきりさせましょう。

2)制度ごとのルールを守る:補助対象外の経費や申請のタイミングに注意しましょう。

3)最新情報をチェックする:補助金制度は頻繁に改定されます。常に最新の情報を確認することが大切です。


この記事を読んで「補助金って難しいけど、すごく役立つ」と感じた方は、自分で申請するだけでなく、他の経営者をサポートする側になるという道もあります。

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補助金の広場代表畠中

大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。