この記事はこんな方に向けて書いています
- これから独立・開業を予定している税理士の方
- 税務業務に加えて、新たな収益源を模索している方
- 顧問先から補助金や融資に関する相談を受けることが増えてきた方
- 補助金・融資支援業務に興味はあるが、何から始めればよいか分からない方
はじめに|税理士に求められる役割が変わりつつある
近年、税理士に求められる役割は「税務処理の専門家」から「経営支援のパートナー」へと大きく変化しています。特に中小企業や個人事業主にとって、補助金や融資の獲得は事業の成長や存続に直結する重要なテーマです。
その中で、顧問税理士に対して「補助金の相談もできませんか?」という声が増えてきているのをご存じでしょうか?
税理士が補助金・融資支援の知識を持つことは、顧客満足度の向上だけでなく、自身の業務の幅を広げ、収益を安定させる大きな武器になります。

最近、税理士の先生方とお話しする中で、
「会計ソフトが急速に進化しており、将来的に私たちの仕事がなくなるのではないかと不安だ」
「会計ソフトを活用し、税理士業務を非常に低価格で提供する同業者が増えており困っている」
といったお悩みをよく耳にします。
このような不安をお持ちの先生方には、他の事務所との差別化を図ることや、新たなサービスを取り入れて売上拡大を目指すことをおすすめいたします。
特に、補助金申請支援業務は差別化や新サービスとして非常に有効なツールとなりますので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
目次
- 税理士が補助金・融資支援を学ぶべき5つの理由
- 補助金・融資支援の市場動向と将来性
- 税務業務との親和性が高い理由
- 補助金支援業務を始めるために必要なステップ
- 補助金・融資コンサルタント育成講座のご紹介
- よくある質問とその回答
- まとめ|今こそ、税理士が補助金支援を始めるべき理由
1. 税理士が補助金・融資支援を学ぶべき5つの理由
1-1. 顧問先からの相談が増えている

中小企業庁や経済産業省が実施する補助金制度(例:新事業進出補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金など)は、近年ますます注目を集めています。
これらの制度は、申請にあたって事業計画書や財務資料の提出が求められるため、経営者は「誰に相談すればいいのか分からない」と悩むことが多いのが実情です。
そのとき、最も身近で信頼されている存在が税理士です。税理士が補助金の知識を持っていれば、自然と相談が集まり、顧問契約の継続や紹介にもつながります。
1-2. 新たな収益源としての可能性
補助金・融資支援業務は、税務顧問とは異なる報酬体系を構築できる分野です。
たとえば、補助金申請支援では「成功報酬型(採択された場合に報酬が発生)」という形が一般的で、1件あたり数十万円~数百万円の報酬が得られることも珍しくありません。
また、融資支援においても、金融機関との交渉支援や事業計画書の作成支援などを通じて、別途報酬を得ることが可能です。
1-3. 税務業務との親和性が高い
税理士はすでに顧問先の財務状況を把握しており、設備投資や新規事業の計画にも関与しているケースが多くあります。
そのため、補助金や融資の申請に必要な「事業計画書の作成」や「財務分析」などの業務は、税理士にとって非常に親和性が高い分野です。
新たに大きなスキルを習得する必要はなく、既存の知識を活かしてスムーズに支援業務を展開できます。
1-4. 顧客との関係性が強化される
補助金や融資の支援を通じて、顧問先の経営により深く関与することができます。
「資金調達」という経営の根幹に関わる支援を行うことで、顧問先からの信頼度が高まり、長期的な関係構築にもつながります。
また、補助金の採択や融資の実行という「成果」が目に見える形で現れるため、顧客満足度も非常に高くなります。
1-5. 他士業との差別化が図れる
税理士業界は競争が激化しており、単なる税務処理だけでは他事務所との差別化が難しくなっています。
その中で「補助金・融資支援もできる税理士」というポジションを確立することは、他士業や他事務所との差別化に直結します。
特に開業間もない税理士にとっては、独自の強みを打ち出す絶好の機会となります。
2. 補助金・融資支援の市場動向と将来性
補助金や融資制度は、国や自治体の経済政策の一環として継続的に実施されており、特に中小企業支援の分野では今後も拡充が見込まれています。
2-1. 補助金制度の拡充傾向
経済産業省や中小企業庁が実施する補助金制度は、コロナ禍以降、新事業進出補助金、ものづくり補助金やIT導入補助金など、企業の変革やデジタル化、少子高齢化にともなう省力化を支援する内容が増加しています。
これらの制度は、単年度で終わるものではなく、複数年にわたって継続されるケースが多く、今後も安定したニーズが見込まれます。
2-2. 金融機関との連携強化
金融庁の方針として、金融機関には「事業性評価」に基づく融資(プロパー融資)が求められており、税理士が作成する事業計画書や財務分析資料の重要性が高まっています。
税理士が補助金・融資支援の知識を持つことで、金融機関との連携もスムーズになり、顧問先の資金調達支援において中心的な役割を担うことができます。

3. 税務業務との親和性が高い理由
補助金・融資支援業務は、税理士が日常的に行っている業務と密接に関係しています。
3-1. 財務データの活用
補助金申請や融資申請においては、過去の財務諸表や試算表、資金繰り表などの提出が求められます。これらの資料は、税理士が日常的に作成・管理しているものであり、すぐに対応可能です。
3-2. 事業計画書の作成支援
補助金や融資の審査では、将来の売上見込みや投資計画を記載した事業計画書が重要な判断材料となります。税理士は、顧問先の業種や経営状況を把握しているため、現実的かつ説得力のある計画書を作成することができます。
4. 補助金支援業務を始めるために必要なステップ
補助金・融資支援業務を始めるには、以下のようなステップを踏むことが推奨されます。
4-1. 制度の基礎知識を学ぶ
まずは、主要な補助金制度(例:ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金など)の概要や申請要件を理解することが必要です。
4-2. 実務フローを把握する
申請から採択、交付、実績報告までの一連の流れを把握し、どのタイミングでどのような支援が必要かを理解することが重要です。
4-3. 成功事例や申請書の構成を研究する
採択されやすい申請書の構成や、審査で重視されるポイントを学ぶことで、実務に即した支援が可能になります。
5. 補助金・融資コンサルタント育成講座のご紹介
補助金・融資支援業務を本格的に始めたい方には、体系的に学べる講座の受講が効果的です。
5-1. 講座の特徴

◆実務に即したカリキュラムで、初心者でも安心
◆最新の補助金制度に対応した内容
◆申請書作成のノウハウを提供
◆オンライン対応で、全国どこからでも受講可能
▶ 詳細はこちら:補助金・融資コンサルタント育成講座
6. よくある質問とその回答
Q. 補助金支援は税理士業務の範囲に含まれますか?
A. 補助金支援業務は一定の専門家の独占業務ではありません。特に事業計画書の作成支援や財務資料の整備は、税理士の専門性が活かされる分野です。
Q. 成功報酬型の報酬体系は問題ありませんか?
A. 成功報酬型は補助金支援業務では一般的な報酬形態です。ただし、契約書を明確に交わし、トラブル防止のための説明責任を果たすことが重要です。

当社よりのアドバイス:
税理士業務はご存じの通り、年間を通じた顧問契約が一般的です。税理士事務所の運営においても、こうした年間契約などの長期契約の獲得は、多くの税理士の先生方が目指す重要な目標だと思います。
そのため、集客力の高い「補助金申請支援」の報酬をあえて少額に設定したり、無償としたりして、その代わりに顧問契約の締結を必須とする税理士事務所も見受けられます。
報酬体系にはさまざまなパターンがありますので、まずは自社のビジネスモデルと相性の良い請求スタイルを検討することをおすすめします。
7. まとめ|今こそ、税理士が補助金支援を始めるべき理由
税理士が補助金・融資支援業務を取り入れることは、以下のような多くのメリットがあります。
- 顧問先からの信頼度向上
- 新たな収益源の確保
- 税務業務との高い親和性
- 他士業との差別化
- 市場ニーズの高まり
今後ますます重要性を増すこの分野に、いち早く取り組むことは、税理士としての価値を高める大きなチャンスです。
ぜひこの機会に、補助金・融資支援業務の第一歩を踏み出してみてください。
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この記事を書いた人
経産省 認定支援機関 株式会社エイチアンドエイチ
代表取締役 畠中 均(はたなか ひとし)
大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。