
2025年下旬、厚生労働省および中小企業庁より発表された、最低賃金引上げおよび賃上げに向けた支援施策を網羅的に紹介します。中小企業・小規模事業者が活用できる助成金、税制優遇、融資制度、雇用支援など、全29施策を分野別に整理しました。
賃上げの流れでお困りの経営者の方など是非ご活用下さい。
1.賃金引上げに関する支援

- 業務改善助成金:事業場内最低賃金を引上げ、生産性向上に資する設備投資等を行う企業に対し費用の一部を助成。
 問い合わせ:0120-366-440(業務改善助成金コールセンター)
- キャリアアップ助成金:非正規雇用者の正社員転換や賃上げ等の処遇改善に取り組む企業に助成。
 問い合わせ:都道府県労働局またはハローワーク
- 中小企業向け賃上げ促進税制:青色申告の中小企業が賃上げを行った場合、増加額の一定割合を法人税・所得税から控除。
 問い合わせ:中小企業税制サポートセンター
- 企業活力強化貸付(働き方改革推進支援資金):最低賃金引上げに取り組む企業へ低金利融資。
 問い合わせ:日本政策金融公庫 0120-154-505
- 賃上げ貸付利率特例制度:賃上げに取り組む企業に対し、融資後2年間利率を0.5%控除。
 問い合わせ:日本政策金融公庫 0120-154-505
2.生産性向上に関する支援
- 固定資産税の特例措置:先端設備導入計画に基づく設備取得に対し、償却資産税の軽減。
- 経営力向上計画(中小企業等経営強化法):国の認定を受けた事業者に税制・金融支援。
- 中小企業経営強化税制:即時償却または税額控除(最大10%)が選択可能。
- 中小企業省力化投資補助金:カタログ型と一般型の2方式で省力化設備導入を支援。
- 中小企業成長加速化補助金:売上100億円超を目指す大胆な投資を支援。
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金:革新的製品・サービス開発や海外展開を支援。
- IT導入補助金:業務効率化・DX推進のためのITツール導入を支援。
- 事業承継・M&A補助金:承継前後の設備投資や専門家活用を支援。
- 小規模事業者持続化補助金:販路開拓等の取組を支援。
3.下請取引改善・新規取引先開拓支援

- 下請ガイドライン:業種別に望ましい取引関係を提示。
- パートナーシップ構築宣言:取引条件のしわ寄せ防止を宣言・公開。
- 労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針:労務費上昇の適切な転嫁を促す行動指針。
- 官公需法に基づく「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」:最低賃金改定に伴う契約金額見直しを明記。
- 官公需情報ポータル:国・自治体の入札情報を集約。
4.資金繰り支援
- セーフティネット貸付制度:業況悪化中でも回復見込みある企業に融資。
- マル経融資(小規模事業者経営改善資金融資制度):無担保・無保証人・低金利で融資。
5.雇用・人材育成支援

- 地域雇用開発助成金:雇用情勢が厳しい地域での雇用創出に助成。
- 人材確保等支援助成金:職場定着促進に向けた環境整備に助成。
- 人材開発支援助成金:訓練実施や教育訓練休暇制度導入に助成。
- 建設事業主等助成金:建設労働者の技能向上等に助成。
- 特定求職者雇用開発助成金:成長分野での雇用・育成・賃上げにより最大1.5倍の助成。
- 早期再就職支援等助成金:離職者の無期雇用・賃上げに助成。
- 産業雇用安定助成金(スキルアップ支援):出向によるスキルアップ後の賃上げに助成。
- 働き方改革推進支援助成金:労働時間削減・有給取得促進等に助成。賃上げ額に応じて加算あり。
出典元:中小企業庁公式資料(PDF)

この情報は、事業者の皆様が制度を活用し、賃上げと生産性向上を実現するための参考としてご活用ください。各施策の詳細や申請方法は、PDFに記載の各問い合わせ先へ直接ご確認ください。
補助金・融資コンサルタント育成講座のご案内
士業やコンサルとして中小・零細企業の社長様から要望の多い補助金支援業務について学びたい方はこちら。補助金申請のプロを目指すなら、当社の「補助金・融資コンサルタント育成講座」へ!
実務経験豊富な講師が、補助金申請から融資支援までのノウハウを余すところなく伝授します。



この記事を書いた人
経産省 認定支援機関 株式会社エイチアンドエイチ
代表取締役 畠中 均(はたなか ひとし)
大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。

