この記事は、これから開業を目指す士業(行政書士、社労士、司法書士、税理士、公認会計士、中小企業診断士、宅建士)や、経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナー、企業の営業担当者、経営者の皆様に向けた内容です。
特に「競争が激しい中でどう差別化すればよいのか?」、「専門特化した方がよいのか、幅広く業務を行うべきか?」と悩んでいる方に役立つ情報をお届けします。

  1. 開業士業に求められる現実と課題
  2. 差別化が重要な理由
  3. 「専門特化」と「何でも屋」の違いと特徴
  4. 各士業における専門特化の成功事例
  5. 幅広く業務を行う「何でも屋」型の成功事例
  6. 専門特化を成功させるためのポイント
  7. 補助金・融資サポートという選択肢
  8. まとめ:あなたは専門特化型か?何でも屋型か?

士業向けマーケティングの重要性

士業を取り巻く環境は年々厳しくなっています。
インターネットの普及により、顧客が情報や価格を簡単に比較できるようになり、価格競争が激化しています。
また、他士業・コンサルとの業務範囲の競合や、大手法人の参入も増えており、特に開業初期は「何を強みにすれば良いのか分からない」という悩みを多くの方が抱えています。

さらに、専門知識だけでは顧客獲得が難しく、マーケティングや営業活動の重要性が増しています。
こうした背景から、「差別化戦略」は、今後の士業・コンサルにとって避けては通れないテーマとなっています。


顧客は、単に「士業だから」「経営の専門家だから」という理由で選ぶ時代ではなくなりました。
今は、「自分の課題をしっかり理解してくれる専門家」「その分野で豊富な実績がある人」を探しています。
もし差別化できていない場合、顧客の選択肢にすら入らない可能性もあります。
だからこそ、あなたがどんな課題解決ができる専門家なのかを明確に打ち出すことが重要なのです。

差別化の方法として、次の2つの考え方があります。

  • 専門特化型
  • 何でも屋型

それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。


項目専門特化型何でも屋型
業務範囲狭い広い
顧客の印象専門性が高い幅広く対応できる
競合との差別化しやすいしにくい
市場規模小さくなる可能性あり大きく狙える
リスク特定市場に依存顧客管理が複雑
営業のしやすさ専門性で訴求しやすい顧客ニーズに柔軟対応

行政書士の例:建設業許可専門

建設業許可に特化した行政書士は、地域の建設会社や経営者から指名で依頼されることが多くなります。
「建設業許可ならこの先生」というブランドが構築されることで、価格競争にも巻き込まれにくくなります。

社会保険労務士の例:助成金申請専門

助成金申請に特化した社労士は、企業にとって非常に魅力的です。
助成金の最新情報を常に提供し、成功報酬型で営業することで顧客獲得につなげている事例も多く見られます。また、顧客との信頼度を深め、助成金支援手続き後に顧問契約など、契約内容の切り替えに成功される社労士の先生もおられます。

司法書士の例:相続登記専門


相続登記に絞ってサービスを提供する司法書士は、高齢者やその家族をターゲットに情報発信を行い、相続問題に困っている顧客から継続的に依頼を受けています。
また、老人ホーム、高齢者福祉施設、葬儀ビジネス運営事業者など、相続問題と接点をもつ事業者と密接な関係性を作ることで定期的な新規顧客獲得に成功している先生もいらっしゃいます。

地域密着型の行政書士

「何でもやります」と謳い、地元の個人・法人問わず、あらゆる相談を受けるスタイルです。
小規模地域では「身近な相談窓口」として親しまれ、紹介が生まれやすくなります。

経営コンサルタントの例

創業支援から資金繰り、補助金、販路開拓など幅広く相談に乗ることで、顧客との長期的な関係を構築しています。
ワンストップ対応を強みにし、複数サービスを組み合わせて売上を安定させている事例もあります。


  • 市場調査を徹底する
     競合が少なく、ニーズが継続的にある分野を選ぶことが重要です。
     ※個人的な経験としては、競合が数多く存在する業務でも、接客に自信がある方はニーズが多い市場へ参入することをおすすめします。
  • 徹底した情報発信
     ホームページ、SNS、YouTubeを活用し、専門分野での情報発信を継続することがブランディングにつながります。
  • 実績を積み、公開する
     専門分野での実績(成功事例、顧客の声)を積極的に開示しましょう。
  • ターゲットに刺さるキーワードでSEO対策を行う
     インターネットによる集客を目指し、特定分野で検索されるワードを意識したコンテンツ作りは結果に結びつきやすいと言えます。

士業やコンサル向けのWEB集客解説はこちら
→ https://course.hojyokin-hiroba.com/web-customers-acquisition


  • 顧客接点を増やす
     地域イベント、異業種交流会などで積極的に人脈を広げ、あらゆる相談が舞い込む土台を作ります。
  • 信頼感を重視する
     広く業務を扱う場合は「この先生に頼めば安心」と思ってもらえる関係構築が重要です。
  • ワンストップサービスをアピール
     複数の課題をまとめて相談できる窓口であることを強みにしましょう。
    補助金の広場からのアドバイス:自身の専門分野以外のご相談があった際に、見込客を紹介できる他士業のネットワークは是非早めに構築しましょう。
  • 幅広い基礎知識を持つ
     複数業務を扱うためには、最低限の経営・法務・税務・労務・マーケティングの知識を身につける必要があります。

補助金・融資コンサルタント育成講座リンク

現在、多くの士業やコンサルタントが新たな差別化として注目しているのが「補助金・融資サポート」です。
これは企業の資金調達支援を通じて経営に深く関与できるため、顧客との信頼関係を築きやすい分野です。さらに、補助金・融資支援は専門特化も、何でも屋スタイルも両方活用できる柔軟性があります。弊社が提供している【補助金・融資コンサルタント育成講座】では、初心者でも実践できるノウハウを体系的に学ぶことができます。
興味がある方はぜひチェックしてみてください。
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開業士業が成功するためには、自分に合ったスタイルを選ぶことが何よりも重要です。

  • 専門特化型:深く狭く、専門分野で第一人者を目指す
  • 何でも屋型:広く浅く、地域密着型で信頼を築く

どちらも正解です。大切なのは、「どのスタイルなら継続できるか」「顧客に選ばれ続けるか」を考えることです。補助金・融資サポートのように、双方で活用できるサービスを取り入れることも、差別化の大きな武器となります。

まずは一歩踏み出し、あなたの強みを磨いてみてはいかがでしょうか?

補助金の広場代表畠中

大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。

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