1. ものづくり補助金とは?
  2. 補助対象者・対象事業
  3. 補助対象経費の全体像
    3.1 機械装置・システム構築費
    3.2 運搬費
    3.3 技術導入費
    3.4 知的財産権等関連経費
    3.5 外注費
    3.6 専門家経費
    3.7 クラウドサービス利用費
    3.8 原材料費
    3.9 海外旅費
    3.10 通訳・翻訳費
    3.11 広告宣伝・販売促進費
  4. 補助対象外経費一覧
  5. 対象・非対象を見分ける4つのポイント
  6. 申請時の注意点・チェックリスト
  7. [まとめ:成功する補助金活用のコツ]
  8. [補助金・融資コンサルタント育成講座のご案内]

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が生産プロセスやサービスの革新を目的とした設備投資やシステム開発を行う際、その経費の一部を国が支援する制度です。生産性向上、品質向上、新市場開拓を後押しし、地域経済の活性化を図ります。
※この記事は第20次ものづくり補助金の公募要領を元に作成しています。各公募回ごとに条件等が変更されますので記載内容のご活用にはご注意下さい。


ものづくり補助金補助対象者定義

日本国内に本社または実態ある拠点を持つ中小企業・小規模事業者

申請時に決算書等で業歴を確認できること

単価50万円以上の設備投資を含むプロジェクトを実施

交付決定日以降に発注・契約・支払いが可能な事業


ものづくり補助金の対象経費について

ものづくり補助金では、主に 「機械設備費」と「システム構築費」 が対象となります。この補助金を活用することで、大型の機械設備や最新のシステムを導入する際の経費をサポートしてもらえます。

対象となるのは、税込単価50万円以上の機械設備やシステム です。そのため、少額の備品(例:机、棚、事務用品など)は補助の対象外であり、ある程度まとまった規模の設備投資が求められます。

また、機械設備・システムの導入に伴う運搬費や技術導入費 も補助対象に含まれます。

【対象経費の一部具体例】

  • 生産ラインの自動化装置
  • 大型の製造機械
  • 業務効率化のための専用システム
  • 3Dプリンター
  • 製造工程のデジタル化に必要なソフトウェア
  • 機械の運搬費
  • 導入に必要な外部技術者の費用 など

ものづくり補助金は、企業の生産性向上や事業拡大を目的とした、本格的な設備投資を支援する制度です。

ものづくり補助金の対象経費をさらに詳しく解説

ものづくり補助金では、必ず「設備投資(単価50万円以上)」を含むことが要件です。補助対象経費は以下11区分に分かれ、原則として経費総額(税抜)の3分の2までが補助されます(グローバル枠は2分の1)。

経費区分補助率上限額・備考
機械装置・システム構築費総額500万円(グローバル枠1,000万円)
運搬費補助対象機械装置納入時の運搬費は上記機械装置・システム構築費に含める
技術導入費経費総額の1/3知的財産権導入費用など
知的財産権等関連経費経費総額の1/3弁理士報酬・翻訳料など
外注費経費総額の1/2製品開発に必要な設計・加工・検査等などの外注費用
専門家経費経費総額の1/2専門家の日当・国内旅費等
クラウドサービス利用費補助対象クラウドサービスの利用に関する経費
原材料費補助対象試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費
海外旅費(グローバル枠)経費総額の1/51名50万円/回、計画申請必須
通訳・翻訳費(グローバル枠)経費総額の1/5(上限30万)広告宣伝用翻訳のみ
広告宣伝・販売促進費(グローバル枠)経費総額の1/2海外展開用パンフ・展示会出展など

過去に採択された事例を業界ごとにご紹介

ものづくり補助金の教科書(ページ3)
詳細はこちら
https://course.hojyokin-hiroba.com/monohojyo-page3

◆対象

◎単価50万円以上の機械・装置、工具・器具、専用ソフト・情報システム

◎自社製作部品購入費、レンタル・リース料(事業期間分のみ)

◆設置・改良・修繕費を一体で計上可能

◆要件

1)納品→検収→管理の証憑整備

2)見積書・仕様書で価格妥当性の審査有

3)単価50万円以上は原則2社相見積り

◆注意点

◎交付決定前の発注・契約は全額補助対象外

◎補助対象機器を融資の担保にする場合は基本的に不可。(補助金事務局相談可)

補助対象経費機械装置・システム構築費

  • 機械装置等の運搬料、宅配・郵送料
  • 機械装置購入時の運搬費は「機械装置・システム構築費」に含め可
  • 証憑:運送業者の請求書・領収書等

  • 他者が保有する特許権・実施権の取得や使用料
  • 契約書・根拠書類の整備必須
  • 上限:経費総額(税抜)の1/3
  • 注意:技術導入費支出先には、専門家経費、外注費を併せて支払うことはできません

  • 弁理士手続料、外国特許翻訳料
  • ISOなど国際規格認証取得費用
  • 上限:経費総額(税抜)の1/3
  • 非対象
    • 出願料・審査請求料等の官庁手数料
    • 期間外手続きや成果に関係ない発明費用

  • 新製品・新サービスの加工・設計・検査委託費
  • セキュリティ診断(ペネトレーションテスト等)も対象
  • 上限:経費総額(税抜)の1/2
  • 契約書・仕様書等が必須
  • 注意
    • 機械装置購入費は非対象(製作委託分は機械装置費)
    • 過去1年以内に同補助金で支援した事業者は利用不可
    • グローバル枠では海外子会社への外注可(経費の過半)

◆専門家(日当+国内旅費)の謝金

◆上限:大学教授等5万円/日、中小企業診断士等4万円/日

◆国内旅費は全国中小企業団体中央会基準に準拠

◆上限:経費総額(税抜)の1/2

◆注意

◎技術導入費・外注費との併用禁止

◎事業計画書作成支援者は非対象


  • 本事業専用クラウドサーバー利用料、WEBプラットフォーム利用料
  • 付帯通信料・プロバイダ契約料の最低限分を含む
  • 非対象:パソコン・タブレット端末、スマートフォンなどの購入費、共有利用のサービス利用料
  • 契約期間按分のうえ、実施期間分のみ対象

  • 試作品開発に必要な原材料・副資材購入費
  • 受払簿(任意様式)の作成、試損品保管(写真可)必須
  • 事業期間末までに使い切ること
  • 残存品は非対象

  • 海外市場開拓に必要な渡航・宿泊費
  • 上限:経費総額(税抜)の1/5、1名50万円/回
  • 一度の渡航での海外旅費の使用は、事業者3名まで(専門家、通訳者が海外に同行する場合には事業者3名に加え2名まで)対象
  • 計画申請が必須
  • 国内乗継費は対象

  • 広告宣伝・販促目的の通訳・翻訳費
  • 上限:経費総額(税抜)の1/5、最大30万円
  • 契約書・見積書必須

◆海外展開用パンフレット、動画、写真作成・媒体掲載費

◆展示会出展費用

◆上限:経費総額(税抜)の1/2

◆非対象:市場調査、会社全体PR

補助金の広場

ものづくり補助金の補助対象経費と注意点:

ものづくり補助金は、設備投資を支援することを目的とした補助金 です。そのため、主な補助対象は 「機械設備」に関する経費 となります。
特に、機械設備やシステム導入にかかる費用は、税抜き単価50万円以上のものが補助対象 です。なお、機械設備やシステムに関する経費が含まれない申請は認められていません ので、必ず対象となる設備投資を含めた計画を立てる必要があります。
また、各補助対象経費には補助上限額が設定されている場合があります。 たとえば、機械装置・システム構築費以外の補助対象経費は、合計で税抜き500万円までという上限 があるため注意が必要です。
申請する際は、補助対象経費の内容だけでなく、経費ごとの補助上限額もしっかり確認しておきましょう。


以下の費用は原則として全額非対象です。

  • 建屋・構築物・簡易建物取得費・基礎工事費
  • 再生エネルギー発電設備および附属設備(太陽光発電システムなど)
  • 事務所家賃・敷金・保証金・仲介料・水道光熱費
  • 文房具・事務用品・消耗品・雑誌購読料・会費
  • 電話代・一般通信費(クラウド付帯以外)
  • 飲食・接待・娯楽費
  • 車両購入・修理・車検費用
  • 税理士・公認会計士・弁護士報酬(税務・決算・訴訟等)
  • 収入印紙・振込手数料・両替手数料
  • 消費税・地方消費税・各種保険料・利息
  • 報告書作成・申請代行費
  • 汎用性の高い機器(PC・プリンタ・ソフト等)
  • 流通性不明確な中古設備
  • 自社人件費、関係会社への支払い
  • その他社会通念上不適切な費用

補助金の広場

補助事業以外で使用できる経費は対象外

ものづくり補助金では、補助事業のために使用する経費のみが対象 です。反対に、補助事業以外でも使用できる汎用的なものは、補助対象外とされています。
たとえば、「車両」「パソコン」「事務机」などは、日常業務や他の用途にも使えるため、補助の対象にはなりません。
ものづくり補助金の公募要領には、補助対象経費とあわせて、補助対象外経費についても明確に記載されています。 申請前に、必ず確認しておきましょう。

よく質問を頂きますが・・・
上記の理由から「パソコン」や「スマートフォン」は特段の理由がない限りものづくり補助金の補助対象外です。

  1. 目的限定性
    • 本補助事業専用か。複数事業で共有していないか。
  2. 支払方法・時期
    • 交付決定後の銀行振込か(現金・カードは原則不可)。
  3. 証憑・契約の有無
    • 複数社相見積り、正式契約書、仕様書で価格妥当性を示す。
  4. 事業期間内使用
    • 発注→納品→支払いが実施期間内に完了しているか。

ものづくり補助金の申請では、申請書の内容だけでなく、手続きの進め方や必要書類の準備にも細かなルールがあります。
これらを守らないと、最悪の場合、補助金が交付されないこともあります。
以下のチェックリストを参考に、申請手続きを慎重に進めましょう。

チェックリストについてのポイント解説

以下のように、チェックリスト全体に対する「導入説明」と「各項目の簡単な補足解説」を加えました。読み手が背景を理解しやすくなり、申請ミス防止にも役立つ内容です。

申請時の注意点・チェックリスト【解説付き】

ものづくり補助金の申請では、申請書の内容だけでなく、手続きの進め方や必要書類の準備にも細かなルールがあります。
これらを守らないと、最悪の場合、補助金が交付されないこともあります。
以下のチェックリストを参考に、申請手続きを慎重に進めましょう。

◆チェックリスト活用法とポイント解説

発注・契約は交付決定後に行う
交付決定通知を受け取る前に、発注や契約を進めると補助対象外となります。必ず交付決定後に契約・発注を行いましょう。

消費税は経費から除外
補助対象となる経費は「税抜き金額」です。消費税相当額は自己負担となるため、申請書にも含めないよう注意が必要です。

単価50万円以上の設備は2社相見積りを準備
高額設備の場合、価格の妥当性を示すために最低2社の見積もりを取得することが義務付けられています。

中古設備は3社以上の相見積りで流通性を証明
中古設備は市場価格が不透明なため、最低3社の見積りを揃え、一般流通していることを証明する必要があります。

枠ごとの上限率・金額を遵守
補助金は事業類型や経費ごとに補助率や上限額が決められています。必ず公募要領で最新の条件を確認しましょう。

支払い証憑(振込明細・領収書等)を確実に保管
補助金の支払いには、支出の証拠が必須です。振込明細や領収書を漏れなく保管し、提出できる状態にしておきましょう。

役員や関係企業への支払いが混ざっていないか確認
取引先に役員や関連会社が含まれる場合、補助対象外になることがあります。事前に確認し、適正な取引であることを証明しましょう。

必要書類(見積依頼書・契約書・見積書・仕様書・納品書・受払簿など)の整備
申請から実績報告まで、書類の不備は不採択・返還リスクに直結します。 事前に必要書類のリストを確認し、確実に揃えましょう。

チェックリスト

  • [  ] 発注・契約は交付決定後に行う
  • [  ] 消費税は経費から除外
  • [  ] 単価50万円以上設備は2社相見積りを準備
  • [  ] 中古設備は3社以上の相見積りで流通性を証明
  • [  ] 枠ごとの上限率・金額を遵守
  • [  ] 支払い証憑(振込明細・領収書等)を確実に保管
  • [  ] 役員や関係企業への支払いが混ざっていないか確認
  • [  ] 必要書類(見積依頼書・契約書・見積書・仕様書・納品書・受払簿など)の整備

ものづくり補助金の成否を左右するのは、「対象経費の正確な理解」と「申請事前準備」です。機械装置の相見積や契約書、支払い証憑の整備を徹底し、計画段階から専門家を活用しましょう。補助対象外経費を避け、本当に投資すべき設備・サービスに予算を集中することで、審査通過と事業効果を最大化できます。


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補助金実務を学ぶ

補助金の広場代表畠中

大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。