「行政書士として独立したい。でもネットで調べると“食えない”“難しい”という言葉ばかり…」
そんな不安を抱えている方は少なくありません。

しかし、こうした言葉の裏には、業界の本質や個人の努力次第で変えられる現実があります


この記事では、行政書士として開業する際に直面する課題と、それを乗り越えるための具体的な方法を深掘りして解説します。

行政書士をはじめとする士業や経営コンサルタント業界は、「食べていくのが難しい」と言われがちです。独立開業のハードル、顧客獲得の難しさ、報酬単価の不安定さなどがその背景にあると思われます。
しかし、実際の統計データを見てみると、少し違った景色が見えてきます。

📊 経済センサスに見る業界の成長

以下は、経済センサス(2016年・2021年)から集計したデータです。これによると、行政書士を含む士業サービス業や経営コンサルタント業は、売上・事業規模ともに大きく成長していることがわかります。

  • 行政書士事務所:事業所数・従業者数ともに増加傾向。売上金額も上昇。
  • 経営コンサルタント業:特に中小企業支援やDX関連業務の拡大により、売上が大幅に伸長。
  • 他士業(税理士・社労士など):給付金バブル、業務の多様化、法人化の進展などにより、事業規模が拡大。

このように、「厳しい業界」というイメージとは裏腹に、統計上は着実に成長しています

士業や経営コンサルタント業界は右肩上がりの状況が続いています

事務所数比較(2016年/2021年)出典:経済センサス

事務所数2016年2021年増減
行政書士事務所50046717134%
公認会計士事務所22722521111%
税理士事務所2446127958114%
社会保険労務士事務所47846462135%
経営コンサルタント業856415898186%

従業員数比較(2016年/2021年)出典:経済センサス

従業員数(人)2016年2021年増減
行政書士事務所1012513320132%
公認会計士事務所334543001390%
税理士事務所123233146965119%
社会保険労務士事務所1534823861155%
経営コンサルタント業87665119835137%

業界売上(2016年/2021年)出典:経済センサス

売上(百万円)2016年2021年増減
行政書士事務所4074462260153%
公認会計士事務所458357525182115%
税理士事務所10744751377117128%
社会保険労務士事務所84954171404202%
経営コンサルタント業31763544227204133%
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行政書士への登録者数の変化と業界全体の売上高の推移を比較すると下記の通りとります。

行政書士登録者数 2016年45441人 2021年50753人
対売上 登録者数単価 2016年896635円 2021年1226726円(1.37倍)

このように、登録者数が5年で約5,000人増加する一方で、1人あたりの売上は約1.37倍に増加しており、業界全体としての収益性が向上していることがわかります。

1. 実務経験の不足

行政書士試験は法律知識を問う筆記試験であり、合格すれば誰でも登録できます。
しかし、実務はまったく別物。書類作成の流れ、役所とのやり取り、顧客対応など、現場でしか得られないスキルが必要です。

特に他業種から転身した方は、行政書士業務の「型」や「慣習」を知らず、最初の一歩でつまずきがちです。
「資格は取ったけど、何から始めればいいか分からない」という声が多いのもこのためです。

2. 経営・集客ノウハウの欠如

行政書士は“士業”であると同時に“個人事業主”です。
つまり、法律知識だけでなく、経営者としての視点が不可欠です。

  • 集客の仕組みを知らない
  • 営業が苦手
  • 顧客との信頼構築ができない

難関の国家試験に合格し、独立開業する方の多くは従業員として企業にお勤めだった人が大半です。
実は、サラリーマン経験しかない方にとって経営者ノウハウが無いことが独立開業後に大きな壁となります。
多くの新人士業の方が「良いサービスを安く提供すれば自然とお客様が来る」という幻想に囚われてしまうのですが、現実社会のビジネスはそれほど簡単ではありません。
集客・経営ノウハウを修得出来るかはビジネスを成功させることができるかの鍵となります。

3. 値引き競争に巻き込まれる

開業直後は「とにかく仕事が欲しい」という焦りから、価格を下げて受注しようとする方が多くいます。
しかし、これは長期的に見て非常に危険です。

  • 利益が出ない
  • 自分の価値が下がる
  • 顧客の質が悪くなる

結果として、疲弊し、廃業に追い込まれるケースも少なくありません。

1. 実務者から学べる機会を活用する

「実務経験がないから不安…」という方も、学べる場は意外と多く存在します。

  • 各都道府県の行政書士会では、会員向けに実務講座や勉強会を開催しています。
    例:建設業許可申請の実務講座、外国人ビザ申請の実務研修など
  • 有料とはなりますが民間企業で業務ノウハウと学べる場所は実は数多くあります。
  • 実はすでに数多くの参考文献が出版されており、先輩士業の皆様が様々な書籍の中で実務ノウハウをオープンにしています。まずは図書館に足を運んでみてはいかがでしょうか?

まず、よく周りを見渡すことから初めましょう。様々な場所で実務ノウハウを修得することは出来ます。

2. マーケティング・ITスキルを身につける

現代の行政書士は、インターネットを活用することで個人でも十分に集客が可能です。

  • SEO対策をしたブログやHPで、ニッチな分野に特化した情報発信
  • SNSでの信頼構築とコミュニティ形成
  • LINE公式アカウントやメルマガによる顧客フォロー
  • ZoomやGoogle Meetを使ったオンライン相談

これらはすべて、個人でもすぐに始められるツールです。
「営業が苦手」でも、仕組みを作れば自動的に顧客が集まるようになります

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3. 価格競争に巻き込まれない「付加価値」の設計

価格で勝負するのではなく、「この人に頼みたい」と思われる理由を作ることが重要です。

  • 専門分野に特化する(例:補助金申請、外国人ビザ、事業承継)
  • 他士業(税理士、社労士、司法書士など)との連携でワンストップサービスを提供
  • 顧客の不安に寄り添う丁寧なヒアリングと提案力

こうした付加価値を設計することで、価格ではなく“信頼”で選ばれる行政書士を目指します

「行政書士は食えない」と言われる背景には、業界の構造だけでなく、個人の準備不足があります。
しかし、それはどんな業界でも同じこと。

  • 身近な飲食業でも、成功する人と失敗する人がいる
  • 今注目されているIT業界でも、稼げる人と稼げない人がいる
  • 士業でも、結果に差はつきます。答えは“実務力”と“経営力”

つまり、行政書士業界だけが特別に厳しいわけではありません。
正しい知識とスキルを身につけ、戦略的に動けば、十分に活躍できるフィールドです。

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補助金の広場代表畠中

大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。