• 小規模事業者持続化補助金に初めて採択された事業者の方
  • 採択後の流れや手続きに不安を感じている方
  • 補助金の入金までのスケジュールや注意点を知りたい方
  • 補助金申請支援を行う士業・コンサルタントの方

  1. 小規模事業者持続化補助金とは?
  2. 採択後の全体の流れ【図解】
  3. ステップ① 採択通知の確認
  4. ステップ② 交付決定通知の受領と注意点
  5. ステップ③ 補助事業の実施
  6. ステップ④ 実績報告書の作成と提出
  7. ステップ⑤ 補助金額の確定と確定通知書の受領
  8. ステップ⑥ 精算払請求書の提出と補助金の入金
  9. 採択後に注意すべき5つのポイント
  10. まとめ

小規模事業者持続化補助金は、商工会・商工会議所の支援を受けながら、販路開拓や業務効率化などの取り組みに対して最大50万円〜200万円の補助が受けられる制度です。



  • 採択結果は、公式サイトJグランツで確認できます。
  • 通常、申請締切から1.5〜2ヶ月後に発表されます。
  • 採択された場合、交付決定通知書の送付を待ちましょう。

  • 採択後、1週間以内に「交付決定通知書」が届きます。
  • 交付決定日より前の支出は補助対象外なので注意!
  • 内容に不備があると、修正依頼が来ることもあります。

補助金の採択後、「交付決定通知書」が届いたら、いよいよ補助事業の実施フェーズに入ります。このステップは、補助金を受け取るための最も重要なプロセスであり、ルールに沿って正確に進めることが求められます

📌 補助事業の実施期間とは?

  • 開始日:交付決定通知書に記載された「交付決定日」以降
  • 終了日:交付決定通知書に記載された「補助事業実施期限」まで
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よくある失敗例
交付決定日前に発注・契約・支払い・納品された経費は補助対象外です。
つまり、補助金で購入したい対象物(機器など)の発注時期によっては補助金がもらえません!要注意です。

🛠 補助事業でできること(例)

補助対象となる事業内容は、主に以下のような販路開拓や業務効率化に関する取り組みです:

分類具体例
広報費チラシ・パンフレット作成、新聞・雑誌広告、Web広告、SNS広告など
ウェブサイト関連費ECサイト構築、既存サイトのリニューアル、SEO対策など
展示会等出展費出展料、装飾費、交通費、宿泊費など
機械装置等費POSレジ、業務用冷蔵庫、製造機械、業務効率化ツールなど
外注費デザイン制作、動画編集、翻訳、コンサルティングなど
委託費市場調査、業務改善支援、IT導入支援など

💡 補助事業実施中のポイント

1. 発注・契約・支払い・納品の順序を守る

  • 原則として「発注 → 納品 → 支払い」の順に行う必要があります。
  • 領収書や納品書、振込明細などの証拠書類を必ず保管してください。

2. 支払い方法は「銀行振込」が原則

  • 現金払い、小切手、手形は原則NG。
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クレジットカード払いは条件付きで可
【重要】制度上、クレジットカードが認められる場合がありますが、補助対象とする為の補助金事務局とのやり取り等を勘案すると【事実上クレジットカード払いは不可】とお考え下さい。

3. 事業内容の変更は「変更承認申請」が必要

  • 例:広告媒体の変更、設備の機種変更、スケジュールの延長など
  • 無断変更は補助金不交付のリスクがあります。

4. 商工会・商工会議所との連携を忘れずに

  • 実施中も定期的に進捗報告や相談を行いましょう。
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「伴走支援型補助金」であるため、形式上は支援機関との連携が前提となっていますが、実際は無償支援に前向きな商工会や商工会議所はほとんどありません。その為、現実は申請者ご自身で補助事業手続きにミスがないよう注意しながら事業を進めていくことになります。

📷 証拠書類の例

書類名用途
見積書・発注書発注内容の証明
納品書・請求書納品・請求の証明
領収書・振込明細支払いの証明
写真(ビフォー・アフター)実施内容の視覚的証明
チラシ・Web広告のスクリーンショット広報活動の証明
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📂 これらの書類は、実績報告書提出時に必要です。整理して保管しておきましょう。

🗓 補助事業のスケジュール管理

  • 補助事業の実施期間は、通常交付決定日から6〜7ヶ月間
  • 実施期間終了後、30日以内または最終提出期限までに実績報告書を提出する必要があります。

🚫 よくある失敗例

失敗例補足
交付決定前に発注してしまった補助対象外になる可能性大
現金で支払ってしまった原則NG、証拠不十分で不交付の恐れ
書類を紛失した実績報告が不備となり補助金が減額・不交付に
無断で事業内容を変更した変更承認申請が必要。無断変更はNG

🧭 補助事業実施のチェックリスト

  • [  ] 交付決定日を確認した
  • [  ] 発注・納品・支払いの順序を守っている
  • [  ] 支払いは銀行振込で行っている
  • [  ] 証拠書類をすべて保管している
  • [  ] 変更がある場合は事前に補助金事務局へ相談・申請している
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補助事業の実施は、補助金を受け取るための「本番」とも言える重要なステップです。
補助金で購入した機器の設置前と後の写真を証拠書類として用意する必要があるなど、実績報告時に必須となる書類や証拠の中には、後から用意が出来ないものが多々あります。ご注意下さい。


補助事業が完了したら、次に行うのが「実績報告書」の提出です。
これは、補助金を受け取るための最終関門とも言える重要な手続きです。

📅 提出期限と基本ルール

  • 提出期限:補助事業終了日から30日以内、または事務局が定める最終提出期限のいずれか早い日
  • 提出方法
    • Jグランツ申請の場合 → 電子申請でアップロード
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提出しないといつまで経っても補助金は支払われません!

📄 実績報告書に必要な書類一覧

書類名内容備考
✅ 実績報告書(様式第8)補助事業の内容・成果を記載事業の目的、実施内容、成果、今後の展望など
✅ 経費支出管理表・支出内訳表(様式第8別紙3)経費の詳細を記載支出日、金額、支払先、支払方法など
✅ 証拠書類一式経費の裏付け資料見積書、発注書、納品書、請求書、領収書、振込明細など
✅ 成果物の証明実施内容の証明チラシ、Web画面キャプチャ、写真など
該当者のみ収益納付報告書(様式第8別紙4)補助事業で収益が発生した場合
該当者のみ取得財産等管理明細表(様式第11-2)単価50万円以上の設備を購入した場合

注:各様式や様式番号は、採択回ごとに異なるため、必ず公式サイトから該当回の様式をダウンロードしてください。

🧾 証拠書類の具体例

経費区分必要な証拠書類
機械装置等費見積書、発注書、納品書、請求書、領収書、振込明細、設置写真
広報費チラシ現物、配布先リスト、Web広告の画面キャプチャ
外注費契約書、納品物、請求書、支払証明
展示会出展費出展要領、写真、出張報告書、交通費・宿泊費の領収書

🖋 実績報告書の書き方ポイント

1. 事業の目的・背景

  • なぜこの事業を行ったのか?
  • どのような課題を解決しようとしたのか?

2. 実施内容の詳細

  • いつ、どこで、何を、どのように実施したか?
  • 実施スケジュールや関係者の動きも記載

3. 成果と効果

  • どのような成果が得られたか?
  • 売上増加、顧客数増加、業務効率化などの数値的根拠があると◎

4. 今後の展望

  • 今後どのように事業を発展させていくか?
  • 補助事業の継続性や波及効果を記述

📬 提出方法の詳細

Jグランツを使用

  • 申請時と同じアカウントでログイン
  • 書類をPDF化してアップロード
  • 提出後は「提出完了通知」が届くまで確認

⚠️ 実績報告でよくあるミスと注意点

ミス結果
提出期限を過ぎた補助金が不交付になる可能性
書類の不備・不足審査が遅れ、入金が遅延
経費の証拠が不十分一部経費が不採択に
成果物の証明がない実施内容が認められない可能性

🧠 実績報告のコツ

  • 経費ごとに「1セットの証拠書類」を用意(例:見積書→発注書→納品書→請求書→領収書→振込明細)
  • 書類の順番・ファイル名を統一しておくと審査がスムーズ
  • 成果物は写真やスクリーンショットで「見える化し客観性を持たせる」

✅ まとめ

実績報告書の提出は、補助金を受け取るための最重要ステップです。
「書類が多くて大変…」と感じるかもしれませんが、一つひとつ丁寧に準備すれば確実に通過できます


  • 実績報告書をもとに、事務局が審査。
  • 問題なければ、補助金額が確定し「確定通知書」が届きます。
  • 通常、提出から1ヶ月程度で通知されます。

  • 確定通知書とともに届く「精算払請求書」を記入・提出。
  • 電子申請(Jグランツ)ならオンラインで完結。
  • 入金は請求から約2ヶ月後が目安。

  1. 交付決定前の支出はNG
  2. 現金・小切手・手形での支払いは対象外
  3. 証拠書類の不備は補助金不交付の原因に
  4. 提出期限を過ぎると補助金がもらえない
  5. 書類は5年間保存が義務

小規模事業者持続化補助金は、採択された後も多くの手続きが必要です。
しかし、正しい知識と準備があれば、スムーズに補助金を受け取ることができます。

「採択されたら終わり」ではなく、「採択されてからが本番」です。
不安な方は、ぜひ補助金の広場をご活用ください。


補助金の広場代表畠中

大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。

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