M&Aの現場でよく耳にする「ノンネームシート」。でも、実際にどんなものなのか、何が書かれているのか、初心者には少しハードルが高く感じるかもしれません。

この記事では、ノンネームシートの基本的な役割や記載項目について、動画とともにわかりやすく解説します。これからM&Aに関わる方、情報収集を始めたばかりの方におすすめの内容です。

以下の動画では、ノンネームシートの概要から具体的な記載項目まで、実際のM&A現場での視点から【M&A・事業承継コンサルタント育成講座】の担当講師が丁寧に解説しています。

ノンネームシートとは、売り手企業が企業名を伏せた状態で、買い手に対して企業の概要を伝えるための資料です。英語では「Teaser(ティーザー)」とも呼ばれ、NDA(秘密保持契約)を結ぶ前段階で使用されます。

買い手が興味を持つかどうかを判断するための「第一印象」を決める重要な資料です。

以下のような情報が、特定されない範囲で簡潔に記載されます:

  • 事業場所
    企業がどこで事業を展開しているか。地理的な制約があるため、買い手にとって重要な判断材料になります。
  • 創業年月日
    長年の歴史がある企業か、スタートアップか。企業の安定性や成長性を見極めるポイントです。
  • 事業内容
    どんな業種か、どんなサービスを提供しているか。例:フィットネスサロンを運営している、など。
  • 事業規模
    直営店舗数やフランチャイズ展開の状況など。例:直営5店舗、FC20店舗など。
  • 譲渡形態
    株式譲渡、事業譲渡、持分譲渡など。買い手がどの程度の支配権を得られるかに関わります。
  • 譲渡希望価格
    「応相談」や「価格帯」など、あくまで参考程度に記載。買い手の熱意によって価格が変動することも。
  • 財務状況
    黒字・赤字の傾向、売上規模など。例:年間売上約1億円、などのざっくりした表現が一般的。
  • 企業の特徴・強み
    差別化ポイントや競合優位性など。特定されない範囲で記載することが重要です。

基本的には同じ意味で使われますが、ティーザーの方がやや詳しく記載されているケースもあります。どちらもNDA前の段階で使用される資料です。

  1. 売り手がノンネームシートを作成
  2. 買い手が興味を持てばオファー
  3. 両者間でNDAを締結
  4. より詳細な情報を開示して交渉へ

ノンネームシートは、M&Aの「入口」にあたる重要な資料です。買い手の興味を引き、次のステップへ進むための鍵となります。

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