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中小企業省力化投資補助金(一般型)とは?申請の流れをわかりやすく解説

省力化投資補助金全体の流れを解説

人手不足の深刻化や業務の効率化が求められる中、国による支援制度として「中小企業省力化投資補助金(一般型)」が注目を集めています。この制度は、中小企業がICT・IoT・AI・ロボットなどのデジタル技術を活用した専用設備の導入を行うことで、生産工程や業務プロセスの省力化を図り、その投資に対して補助金を受け取ることができる仕組みです。

具体的には、単一または複数の工程を自動化するために、システムインテグレーターと連携して開発された装置やシステムを導入し、人手不足の解消と付加価値の向上を目指します。補助率や補助金額については申請内容や企業規模によって異なりますが、最大数百万円単位の支援が受けられるケースもあるため、実務的にも非常に魅力的な制度です。

この記事では中小企業省力化投資補助金(一般型)第3回公募の情報を元にこの補助金について詳しくご紹介致します。


以下に、補助金申請から実施、報告、入金までの流れを図式的にご紹介します。全体像を把握することで、スムーズな準備と手続きが可能になります。

中小企業省力化投資補助金(一般型)全体の流れ

  1. 事前準備(GビズID取得・事業計画書作成)

  2. 公募開始・申請受付

  3. 審査・採択(補助金交付候補者決定)

  4. 交付申請・審査・交付決定

  5. 補助事業実施(18〜20か月以内)

  6. 実績報告(完了後30日以内提出)

  7. 補助金請求・交付(実績報告に基づく)
  8. 効果報告(完了後5年間・年1回)

このように、申請プロセスは段階的かつ計画的な運用が求められます。特に初期のID取得や計画書作成には時間を要するため、早期の準備が最初の重要なステップです。


📌それでは、ここからは各ステップを詳しく解説していきます。

補助金申請を円滑に進めるためには、事前準備が肝心です。特に「GビズID」の取得と「事業計画書」の作成は、申請のスタートラインに立つための必須プロセスとなります。

🆔 GビズIDの取得

「GビズID」は、政府が提供する共通認証サービスで、電子申請に必要なIDです。法人・個人事業主を問わず補助金申請には原則として「GビズIDプライムアカウント」が必須です。

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当社からのアドバイス:
この補助金へ申請する為に、様々な準備を重ね、申請日ギリギリにやっとパソコンで申請入力をしようと思ったら・・・
以前取得したと思っていたGビズIDは別のIDで申請出来なかった・・
といったたぐいの話は何度も聞いています。
補助金申請をしようとお考えでしたら、まずはGビズIDを取得済みか、パスワードなどログインに必要な情報は手元にあるかなど、よくご確認下さい。

📄 事業計画書の作成

補助金申請において最も重要な書類の一つが「事業計画書」です。これは単なる設備導入の一覧ではなく、補助金を活用して何を達成し、どんな社会的・経済的な効果を生むかを明示する構想文書です。

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当社からのアドバイス:
事業計画書を作成する時点で、購入する機器等を確定し、見積書を取得しておきましょう。また、補助実施期間内に機器等を注文し、納品され、機器の代金の支払いを完了させることが出来るか十分に確認しましょう。
注文毎に海外から輸入する機器や、注文後にオリジナルのシステムを構築する機器の発注など、納品までに時間がかかるものや、製造メーカーなどの関連会社と機器の設置方法などの調整が必要なものは、この段階から十分注意しましょう。


補助金の申請は原則としてオンライン申請システムを通じて行われます。手続きの迅速化と透明性の確保が目的とされており、従来の紙ベースとは異なり、電子ファイル形式での提出が求められるため、事前準備が重要です。

申請の流れは以下のようなステップで進みます:

  1. 事前準備・確認
    まず、補助事業の公募要領や募集要項を熟読し、申請資格の有無を確認しましょう。事業の内容や補助対象経費、申請期限などが詳細に記載されているため、制度全体の理解と自社の条件との照らし合わせが肝要です。
  2. 電子申請システムへの登録と入力
    電子申請を行うには、指定された申請プラットフォームへのアカウント登録が必要です。登録後、システム上で基本情報、事業概要、申請理由、導入予定機器・経費の詳細などを入力します。誤字や記載漏れがあると審査に影響する可能性があるため、慎重に作成しましょう。
  3. 添付書類の準備とアップロード
    見積書、法人の登記簿、納税証明書など、必要な添付書類をあらかじめ整理しておきましょう。ファイル形式や容量の指定がある場合も多いため、事前にガイドラインを確認のうえ、正確にアップロードすることが求められます。
  4. 申請完了と受付通知の確認
    入力と添付が完了すると、申請内容を送信して手続きが完了します。申請後は受付通知(受領確認メールなど)が届くため、必ず保存しておきましょう。受付番号は後続の手続きでも使用されます。
  5. 形式審査・内容審査
    申請が受理されると、まず形式的な不備の有無を確認する「形式審査」が行われ、その後、事業内容の妥当性や公益性などを評価する「内容審査」に進みます。ここでは、事業の実現可能性、波及効果、補助事業としての意義が問われるため、事業計画書に説得力を持たせることがポイントです。
  6. 審査結果の通知・採択
    審査が完了すると、採否に関する結果通知が電子申請システム上に掲載されます。採択された場合は、「交付候補者」として通知が届き、次のステップである「交付申請」に進むことになります。

審査に通過し「補助金交付候補者」として採択されると、次は「交付申請」のフェーズに移ります。この申請も電子申請システムを通じて行い、内容や添付書類に不備がないよう細心の注意が必要です。

交付申請にあたっては、事業で導入する機器やシステムの発注先を選定する必要があります。その際は、価格の妥当性を証明するため、原則として同条件による相見積もりを2社以上から取得することが求められます。

また、ここで重要なポイントが2点。
※事業計画書を作成する段階で、導入予定機器を確定し、見積書の取得まで完了しておくことが理想です。
※補助金の交付決定後に着手する事業であっても、申請時点で具体的な設備内容が明示されているほうが、審査にもプラスに働きます。

補助事業の実施期間は、交付決定日から最大18か月(または採択発表日から20か月後)までと定められています。この期間内に、機器の注文・納品・検収・支払いまでのすべての工程を完了する必要があります。

特に注意すべきなのは以下のようなケースです:

これらは納品までに想定以上の時間を要することもあるため、事業計画書の段階から納品スケジュールや調達体制を具体的に確認し、リスクを回避するようにしましょう。発注のタイミングや社内体制の調整によっては、事業期間中に完了できない恐れもあるため、余裕ある工程設計が不可欠です。


補助事業が無事に完了した後は、いよいよ補助金を受け取るプロセスに移ります。とはいえ、申請時に決定された交付額がそのまま全額支払われるとは限りません。ここからの流れでは、補助金の最終的な確定額が審査を経て決定されるため、申請者側の報告内容や提出タイミングが非常に重要です。

✅ 実績報告の提出

補助事業が完了した日から起算して30日以内、もしくは補助事業完了期限日のいずれか早い方までに「補助事業実績報告書」を提出します。これは、導入した設備や支払経費の証拠書類などをもとに、事業の進捗と成果を報告するもので、補助額の確定審査に直結する重要書類です。

報告書の内容が不十分だったり、提出期限に遅れると、補助金の減額や不交付のリスクが生じます。特に機器代金の支払証明は補助対象経費の認定に不可欠ですので、事業期間中の支出を経理的にきちんと管理しておくことが肝心です。

📥 補助額の確定

提出された実績報告をもとに、事務局側が補助対象経費の妥当性や事業の実施状況を審査します。その後、補助金の最終的な交付額が「確定通知」として発行されます。

ここで気をつけていただきたいのは、交付決定時に想定された金額から減額となるケースがある点です。たとえば、補助対象外の経費が含まれていたり、導入が中止された機器があった場合などは、交付額が調整されます。

💳 補助金の請求と入金

補助額が確定すると、申請者が「補助金請求手続き」に進みます。これは再び電子申請システムを通じて行います。指定された様式や必要事項を記入し、確定通知に基づいた請求を行ってください。

請求手続きが正常に完了すると、事務局から指定口座への振込が行われます。入金のタイミングは手続き完了から数週間以内が目安ですが、資金繰りに影響を与える可能性もあるため、事前に納期と入金予定日を把握しておくことをおすすめします。

また、補助金の入金完了後も、報告義務(次セクション参照)は継続します。資金の使途を正しく記録しておくことで、後年の効果報告の準備にもつながります。

このように、補助金の確定から入金までのステップは、申請者が最も慎重に取り組むべき工程のひとつです。書類提出とスケジュール管理が確実に行える体制づくりが、トラブル回避のカギを握ります。


補助金の入金後も、申請者には一定期間にわたり報告義務が発生します。この工程は忘れられがちですが、補助金を正しく活用したことを証明する重要なプロセスであり、将来の事業にも大きな影響を及ぼします。

📋 事業効果報告の提出

補助金の交付後、事務局が定めた期日までに「事業効果報告書」を提出する必要があります。これは、補助事業によってどのような改善・成果が得られたかを整理し、定量的・定性的に記録するものです。

数値や写真、社内レポートなど客観的な証拠を添えることで、より説得力のある報告となります。

📌 報告の目的と意義

この報告義務は単なる「義務」ではなく、次のような目的があります。

◆補助金の適正使用を確認する

◆政府施策としての成果を測定する

◆次年度以降の制度改善に役立てる

特に、事業効果が高く評価された企業は、将来の補助金申請時にも有利になる可能性があります。ここまでが補助金事業の”締めくくり”であり、信頼構築の一環でもあります。

⏳ 提出のタイミングと注意点

報告書の提出時期は補助金の種類や事業規模により異なるため、必ず交付決定通知や事務局からの案内を確認してください。提出漏れや内容不備があると、将来的な申請資格に影響することもあります。

この手続きでは、申請者が補助事業の成果を丁寧に振り返り、社会的な意義を伝えることが求められます。資料の整備や報告体制の構築を、補助金受領のタイミングで早めに始めておくとスムーズです。


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当社からのアドバイス:
補助金申請は、単に書類を提出すれば通るというものではなく、制度の目的に合致した事業計画であること、そして実現可能性があると示すことが鍵です。以下のポイントを意識することで、採択率を高め、スムーズな申請・受給につながります。

そこで、最後に改めて申請が採択される為のコツを解説致します。

💡 成功のポイント

⚠️ 注意すべきポイント


中小企業が補助金制度を活用するには、制度理解と手続き運営のスキルが不可欠です。今回の記事を通じて、制度の流れや注意点をご理解いただけたと思いますが、さらに一歩踏み込んで「自社だけでなく他社の支援までできる専門知識」を身につけてみませんか?

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大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。

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