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採択は難しい?「ものづくり補助金」の採択率と活用成功事例を徹底解説【新人補助金支援者向け】

ものづくり補助金 採択される案件の特徴解説

この記事は、これから補助金申請支援を事業の柱にしていきたいと考えている、開業予定もしくは開業3年以内の士業(行政書士、司法書士、社労士、税理士、公認会計士、中小企業診断士)、FP、経営コンサルタントの方へ向けて書かれています。特に以下のような方におすすめです:


  1. ものづくり補助金とは?目的と概要
  2. 採択率の推移から見る「難易度」のリアル
  3. 採択率が変動する主な理由とは?
  4. 採択される案件の特徴と成功事例に学ぶ
  5. 採択事例の調べ方と見方:公式リソースを使い倒す
  6. 補助金支援ビジネスに活かせる視点
  7. 士業・コンサルタントが今から始めるべき「信用構築」の準備
  8. まとめ:採択率を読み解き、補助金支援を未来の強みに変える

「ものづくり補助金」は正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、中小企業の革新的な取り組みを支援するための制度です。対象は製造業に限らず、サービス業や小売業など幅広い業種に及びます。

主な目的:

DX・GXなど成長分野への進出支援

革新的な製品・サービスの開発支援

生産プロセスの省力化・効率化

ものづくり補助金の採択率は、公募回によって大きく変動しています。以下は、公式データポータルに基づく採択率の推移です。

📊 採択率の推移(第1次~第18次)

公募回申請者数採択者数採択率
第1次2,2871,42962.5%
第9次3,3132,24767.8%
第14次4,8652,47050.8%
第17次62918529.4%
第18次5,7772,07035.8%

※出典:ものづくり補助金公式データポータル

📉 採択率は年々低下傾向に

かつては60%を超える採択率を記録した回もありましたが、近年は採択率が40%を下回る回も増えてきています。特に第17次(29.4%)や第18次(35.8%)では、3社に1社しか採択されないという厳しい状況となっています。

この背景には以下のような要因が考えられます:

つまり、「通りやすい補助金」から「戦略的に勝ち取る補助金」へと変化しているのが現状です。


採択率の変動には、以下のような複数の要因が絡んでいます。

✅ 1. 申請件数の増減

競合他社の増加:申請件数が急増した回(例:第4次)は、採択率が大きく下がる傾向があります。これは予算に対して申請が集中するためです。

✅ 2. 政策的な重点分野の変化

近年は「GX(グリーントランスフォーメーション)」や「DX(デジタルトランスフォーメーション)」など、政策的に重視される分野が加点対象となっており、これらに該当しない事業は不利になる可能性があります。

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当社からのアドバイス:行政機関は物価高に対応した就労環境の充実を図るため「従業員の給与UP」・少子化問題に対応した「職場における子育て支援環境の充実」を念頭に補助金の審査の観点を見直しています。
採択される申請書作成の為に上記を踏まえた内容に必要に応じて修正しましょう。

✅ 3. 申請書の質の差

採択されるかどうかは、事業計画書の完成度と説得力に大きく左右されます。特に「加点項目の取得」「収益性の根拠」「社会的意義の明示」「客観的数値の活用による精度の高い計画書作成」などが重要です。


採択される案件には、いくつかの共通点があります。

✅ 採択されやすい事業の特徴

📘 採択事例の一例(公式サイトより)

下記の事例は、単なる設備投資ではなく、「社会的意義」や「将来性」が明確に示されている点が共通しています。

AIを活用した製造ラインの自動化
(東京都・金属加工業)

観光業とブライダルを融合した地域創生型サービス
(鳥取県・サービス業)

▼IoTセンサーによる在庫管理の効率化
(愛知県・物流業)

海外展開を見据えた高付加価値包丁の量産体制構築
(岐阜県・製造業)


補助金支援を行う士業・コンサルタントにとって、採択事例の分析は必須です。以下の公式リソースを活用しましょう。

🔍 公式サイトで使える主なページ

ページ名内容
成果事例のご紹介
https://portal.monodukuri-hojo.jp/jireisearch.aspx
都道府県・業種・技術分野ごとに検索可能な事例集
グッドプラクティス集
→ chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://portal.monodukuri-hojo.jp/pdf/goodpractice2023.pdf
採択後の成果や展開をまとめた資料(年度別)
採択者一覧
→ https://portal.monodukuri-hojo.jp/saitaku.html
採択された事業者の事業計画名や支援機関名を確認可能

※出典:ものづくり補助金公式データポータル


補助金支援は、単なる「書類作成代行」にとどまりません。支援者のスキルと視座によって、「企業の未来に伴走する伴奏型支援」へと深化させることが可能です。

🔑 支援者が発揮できる主な価値

こうした姿勢が、「この人に任せたい」と思われる真の支援者像の構築につながります。


補助金支援の実績がまだない段階でも、顧客からの信頼を勝ち取ることは十分可能です。特に新人士業にとっては、「支援スキル」と同等、あるいはそれ以上に「信用のデザイン」が重要です。

💡 信用構築のための3つの具体施策

① ストーリーブランディングを確立する

なぜあなたが補助金支援を手がけるのか、その背景や情熱を「自分語り」ではなく顧客視点のストーリーに昇華することが信頼構築の第一歩です。

② オウンドメディア・SNS発信の強化

自身の視点や、公式データから導いた“支援のヒント”を定期発信することで、「この人は現場を知っている」「価値ある情報を持っている」と認識してもらえます。特にX(旧Twitter)やnote、Youtubeなどは、士業や補助金関係者も多く、見込み客や同業とのつながりを生み出しやすいです。

③ 学び続ける姿勢と連携ネットワークの構築

補助金制度は頻繁に見直しがあり、常に最新情報をキャッチアップする習慣が重要です。また、他士業・支援機関・金融機関といった専門家ネットワークを構築することが、支援の幅を広げる鍵となります。


ものづくり補助金は、申請すれば通る制度ではありません。採択率は年々厳しくなっており、申請構想の質・支援者の戦略眼・計画書の完成度が採否を大きく左右します。

しかし、だからこそ士業・コンサルタントにとっては、「企業の成長戦略を共に描く立場」として存在感を発揮できる絶好の機会でもあります。

特に開業間もない皆さまにとって、補助金支援は次のような価値をもたらします:

まずは、支援に必要な知識と視座を身につけ、確実な一件を積み重ねていくこと。そして、支援者としての覚悟と価値を、発信を通じて社会に届けること。
それが、補助金支援を“事業の柱”に変える最短ルートとなるでしょう。

あなたの支援が、企業の挑戦を支え、未来の社会を形づくる礎となることを願っています。

大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。

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