🧬 創薬ベンチャーとは?事業創設の背景
近年の新薬開発の多くは創薬ベンチャーによって実現されており、パンデミック時にはいち早くワクチン開発に成功した事例もあります。しかし、日本国内では欧米諸国と比べて創薬ベンチャーが必要な資金を確保しづらい状況が続いています。
この課題を受け、政府は令和3年6月に「ワクチン開発・生産体制強化戦略」を閣議決定し、感染症関連技術の実用化を目指す創薬ベンチャーを支援する「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」を創設しました。令和4年10月には支援対象を感染症以外の分野にも拡大する方針が示され、支援体制が強化されています。
こちらは補助対象経費が最大100億円と大型のニッチな補助金です。
記載情報は2025年10月現在となりますが、こちらは過去10回募集された実績のある補助金ですので、第11回公募が終了している場合でも、諦めずに一度現状を確認されることをオススメ致します。
💡 創薬ベンチャーエコシステム強化事業の目的と支援内容
この事業は、創薬に特化したベンチャーキャピタル(VC)を「認定VC」として認定し、認定VCによる出資を受けた創薬ベンチャーに対して、AMED(日本医療研究開発機構)が補助金を交付する制度です。
支援対象の開発段階
- 非臨床試験
- 第1相臨床試験
- 第2相臨床試験
- 探索的臨床試験
支援の特徴
- 認定VCによる出資が補助金交付の要件
- 海外市場での事業化も積極的に支援
- 外国法人の日本子会社も対象
📝 応募資格と条件
創薬ベンチャー公募に応募するには、以下の要件を満たす必要があります。
応募資格者の条件
- 未上場の国内創薬ベンチャー
- 日本国内に技術開発拠点を有する民間企業
- 内部統制・ガバナンス体制が整備されていること
- 中小企業基本法に基づく中小企業者であり、みなし大企業に該当しないこと
- 反社会的勢力との関与がないこと
- 破産・再生手続き等の申立てを受けていないこと
出資要件(いずれかを満たすこと)
- 遡及期間内(令和4年11月8日以降)に認定VCから補助対象経費の1/3以上の出資を受けている、または今後受ける予定であること
- 外国法人の親会社が認定VCから出資を受けており、日本法人に補助対象経費の1/3以上を資金提供できること
📢 公募内容と研究分野
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)では以下の分野で創薬ベンチャーを公募しています。
| 分野・テーマ | 補助対象経費の規模 | 研究開発期間 | 採択予定数 |
|---|---|---|---|
| 感染症のワクチン・治療薬開発 | 最大100億円/課題(上限超えも可) | 最長令和13年9月まで | 0~25課題程度 |
| 感染症以外の疾患に対する医薬品等の開発 | 最大100億円/課題(上限超えも可) | 最長令和13年9月まで | 0~25課題程度 |
※「医薬品等」には医薬品および再生医療等製品が含まれます。
📩 お問い合わせ先
※詳細・最新情報は必ずご自身でご確認をお願い致します。
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
創薬エコシステム推進事業部 創薬エコシステム推進事業課
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この記事を書いた人
経産省 認定支援機関 株式会社エイチアンドエイチ
代表取締役 畠中 均(はたなか ひとし)
大手企業を退職後、20代で起業しゼロから複数の事業を展開。現在は、25年以上の経営経験を活かし、認定支援機関として現場経験豊富な経営者としての目線で中小企業支援を行うほか、士業・コンサル向けに中小企業支援の実践的ノウハウを学べる機会の提供にも注力している。

