2021年7月30日
2021年8月14日

ものづくり補助金や事業再構築補助金など返済不要の事業資金が交付される補助金申請では、制度自体が大変人気のため、他の申請者との競争に勝ち残る申請書(事業計画書)作成が不可欠ですよね・・・。

しかし、実際申請書作成を始めると

「どんな申請書を書けば採択されるかよくわからない。」

「世界初の技術を武器に世界進出をするわけでもなく、事業計画に書くべき
アピールポイントなんか思いつかないよ・・。」

と悩まれる個人事業主の方や中小の社長さんが大半ではないでしょうか。

多くの皆さんが採択される申請書を書くには、相当難しい革新的な技術開発の実績や競争力の高い新たなサービスをアピールしなくてはならないと思われています。

しかし、本当にそうでしょうか?

この補助金を審査する側が公に発表している各種資料をよく調べてみると

じつは審査側はそれほど難しい事・実現不可能なことをアピールしてほしい訳では

ないことがわかります。

それじゃあ・・・、どんな事業計画書を書けばいいの?

そこで今回は、どんな規模の会社や個人事業の方でも記載出来る

アピールすべき「事業計画書のコツ

についてものづくり補助金を例にご紹介していきたいと思います。

それではどうぞ。

動画による説明はこちら

補助金の事業計画書 審査官はどこを見ているのか?

事業計画書のコツ

ものづくり補助金の公式サイトにもリンクがある全国中小企業団体中央会が発行している
「ものづくり・商業・サービス補助金成果活用 グッドプラクティス集」によるとものづくり補助金制度について、次のような事が説明されています。

説明1.ものづくり補助金の制度は、設備投資の資金不足を補うための制度ではない。

これは多くの申請者が今の設備が古くなった等の理由で設備の買い替えや設備の新規導入が必要になった際に、その設備投資の資金不足を補助金で補おうして申請してくるケースが非常に多いということだと思います。

この補助金制度の目的は「中小企業・小規模事業者の試作品開発や設備投資や生産革新に加え、革新的サービスなどを促進するための支援制度」であるため単なる事業の資金援助目的の申請は不採択となることを説明しています。

事業計画書のコツ 1

設備の単なる買換、入替など申請者が現状の業務に係わる設備投資の資金不足を補うために申請していると審査官が感じる言葉は使用しない。

NGワード 設備の買換 設備の入替

説明2.事業終了後、本事業で試作開発や生産革新、革新的サービス等に取り組んだ成果を事業化に繋げることが本補助制度の政策目標。

ものづくり補助金は2012年補正予算から始まった制度で、既に事務局側もある程度の
補助実績とその後の成果についても実績結果を蓄積しているようです。
この実績結果ですが、申請された事業計画書では素晴らしい内容のプランでも、実際、数年後検証してみると上手く事業化出来ていないケースも散見されており問題となっているとの事です。
その為、審査官は審査にあたって「採択した事業が本当に事業化できるか不安」と感じているようです。

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事業計画書のコツ 2

この記事で後ほどご説明しますが、自分が提出している事業計画は数年後必ず上手く事業化出来ていると審査官が安心出来る内容の事業計画を提出する必要があります。

そのために、審査官が事業化の成功を阻む要因として考えている事柄について自社でしっかりとした対策をとっていることを説明しましょう。

説明3.事業化の成功を阻む要因【新規顧客の開拓】【既存顧客との取引維持、拡大】の困難さ

補助金支援後の事後調査によれば、新規顧客の開拓や既存顧客との取引維持・拡大が思うようにいかずに、補助事業終了後に上手く事業化が図られていない事業者が多数あるようです。その為、審査官は事業計画書の中に 【新規顧客の開拓】や【既存顧客との取引維持、拡大】 に対する施策として妥当性・実現性のある計画を求めています。

事業計画書のコツ 3

事業化に向けた持続的な成長を阻む要因として【新規顧客の開拓】【既存顧客との取引維持、拡大】があることを審査官は認識していますので、その課題へ対応している施策があればそれを事業計画書に記載しましょう。

尚、実現可能な対策としては、業界展示会への出店、テレフォンマーケティング、DM、インターネット広告、営業職員の増員、他地域(首都圏や海外等)へのアプローチなど販売先の見直し拡大などが現実的施策となるかと思いますので、御社で検討中の施策などを記載していきましょう。

新規顧客開拓の例1:今まではBtoBの販売ルートに頼っていたが、ウエブサイトを立ち上げ今後はBtoCの販売ルートを確立するなど。

また、商品の効能・効果を今までと異なる市場にアピールする方法などもあります。

新規顧客開拓の例2
:今までは企業向けの食品輸送業を行っていたが、同じトラックを使用し空いた時間で引越業を行うなど。

いずれにしても、「世界に先駆けた最新技術」ではなくても記載可能な加点ポイントですので必ず何か事業計画書でアピールしましょう。

説明4:事業化の成功を阻む要因【事業化に向けた社内体制の確立】

先にご説明した以外で事業化の成功を阻む要因として【事業化に向けた社内体制の確立】が指摘されています。
これは事業化にあたって、既存事業との調整、試作開発・販路開拓に従事する人材の質と量が不足している会社が多いという事です。

事業計画書のコツ 4

事業計画書には、あなたの会社には十分な人材が確保されていることを具体的に説明する。又は、今後採用活動を実施する予定であることなどを記載して社内体制は十分であることをアピールしましょう。

例えば、もし、現在申請している補助金事業を開始するにあたり、その事業を実施する人材が不足している場合や担当する人材のスキルが不足している場合は、その弱点を逆手にとって社内外の専門家を活用して人材育成(教育)プログラムを実施するなどの施策を事業計画書に記載するのも十分加点ポイントになるといえます。

説明5:その他、事業化の成功を阻む要因【販売ターゲットの再確認】

このグッドプラクティス集によると、「どの事業者も補助金の応募申請時には、新製品の事前調査や市場性の検討を行った上で、事業計画を立案しているものの、事業終了後に自社が開発した商品・技術の強みを最大限に活かせるマーケットとは違う場所で戦っていることも多い。
当初想定したターゲットの絞り込みがズレたり、新たな用途開発が見つかったりして、想定したコンセプトも曖昧になってきていることが原因として考えられる。」と指摘しています。
また、以前中小企業庁の課長さんが事業再構築補助金の公開資料で、「8割以上の事業計画書の市場分析があまい」と指摘していらっしゃいました。

事業計画書のコツ 5

審査官はしっかりとした市場分析を行った事を事業計画書でアピールしてほしいと思っていますのでSWOT分析等市場分析をする際によく使用される市場分析手法は必ず活用し対応しましょう。

こちらが「ものづくり・商業・サービス補助金成果活用 グッドプラクティス集」 です。とても参考になりますので是非お読みになることをオススメします。

ものづくり・商業・サービス補助金成果活用 グッドプラクティス集
ものづくり・商業・サービス補助金成果活用 グッドプラクティス集

上記のリンクはこちらです。「 ものづくり・商業・サービス補助金成果活用 グッドプラクティス集 」

終わりに

いかがでしたでしょうか。
これから事業計画書を作成予定でしたら、計画書を作成し始める前に、本記事でご紹介した事業化の成功を阻む要因に対して現在自社ではどのような施策を行っているかを洗い出すところから始めるのが良いのではと思います。
世界に一つしかない革新的技術開発!が無くても採択される補助金申請は可能です。
諦めずに頑張っていきましょう!
それでは、最後までお読み頂きありがとうございました。

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